退職しないという誓約書にサインしたら会社を辞められない?

私のために誰かのためにシェアする

みなさんこんにちは『にゃりか』です…私は今、トルティーヤ先生のおうちに向かっている途中です…
アバター画像
何しに行くのかって?…実はね、この前、会社が退職届(退職願)を受け取ってくれないって件でトルティーヤ先生に相談をしたら「内容証明郵便で退職届(退職願)を郵送すればいいよ」って言われたんでその通りに内容証明郵便で退職届を会社におくりつけてやったんです…
アバター画像
…そしたらね、上司が「お前入社するときに『入社後5年間は会社を退職しません』って誓約書にサインしただろ?お前まだ入社して4年しか経ってないんだからあと1年は辞められないからな!」て言い出して…
アバター画像
でね、その誓約書を見せてもらったら、確かに私の署名と肉球が押されてあったんですよ…で、よくよく考えたらなんか入社するときにそんな誓約書にサインさせられたな~って思いだしたんです…
アバター画像
でもあと1年も会社を辞められないなんて…だって、もう会社辞めてアートの世界で生きて行くって決めてるし、個展の開催も決まっててその準備も始めてるから、会社辞めれないってなると色々困っちゃうんだよね…それでどうすればいいかトルティーヤ先生のところにまた相談に来てみたんです…
アバター画像
あ~あ~…なんであんな誓約書にサインしちゃったんだろ…困ったな~…
アバター画像
【「~まで辞めません」という誓約書にサインしている場合の退職の可否】
会社によっては、入社する際に「〇年○月まで退職は致しません」といった内容の誓約書に署名させられるところがあるようです。
入社した時点ではほとんどの人がすぐに辞めるとは考えないのが通常ですから、そのような誓約書にサインを求められても多くの人は特段の疑問を持たずにサインをしてしまうのではないかと思いますが、そのような誓約書にサインをしていると、いざ退職しようとする際にその誓約書の存在が問題になる可能性があります。
なぜなら、勤務先の上司に退職届(退職願)を提出して退職の意思表示をした場合、通常はその退職届(退職願)に記載した退職希望日をもって退職できますが、そのような「〇年○月まで退職しません」といった誓約書にサインしていると、その誓約書の存在を根拠に会社が退職を認めない場合があるからです。
しかし、会社からそのような誓約書にサインを求められた場合、立場の弱い労働者は拒否できないのが普通ですから、そのような誓約書が許されるとなると企業が労働者を強制的に働かせることができることになってしまい不都合が生じます。
では、そのような誓約書は法律的に有効といえるのでしょうか?
また、「〇年○月まで退職しません」といった誓約書に署名したことを理由に会社が退職を認めてくれない場合、具体的にどのように対処すれば会社を辞めることができるのでしょうか?

広告

プロローグ

アバター画像
うわっ…なんだよ、またベスト裏返しに着ちまってるじゃねーかよ、背中のタグ出てんのに全然気付かなかったわ…
あっ…その声はトルティーヤ先生!…こんにちは、この前退職届のことで相談にきた『にゃりか』です!
アバター画像
アバター画像
え?…あー…この前相談に来てたネコね…なに?またなんかあったの?…
そーなんです、聞いてくださいよ!…あのね、この前は上司の猫が退職届を受け取ってくれないってことで相談してトルティーヤ先生が「内容証明郵便で退職届(退職願)を送り付ければいいよ」って教えてくれたから、そのとおりに内容証明で会社に送り付けたんですよ…
アバター画像
アバター画像
あ、そう…それで?…
でね、そしたらね、その次の日に人事部の人…じゃなかった猫が私のところに来て「入社した時に『○年○月まで退職しません』っていう誓約書にサインしてもらってるから来年の○月までは退職は認められませんよ」って入社した時にサインした誓約書を突き付けられちゃったんです…
アバター画像
んで、良く見たら確かに来年の3月まで退職しませんって書かれた誓約書に私の署名と肉球が押されてて…よく考えたら入社するときにそんな感じの誓約書にサインした覚えがあるな~って思いだしたんです…
アバター画像
アバター画像
なるほど…いついつまで辞めないっていう誓約書にサインしちゃってたってわけね…
トルティーヤ先生!…私、もう退職したあとのアーティスティックな仕事の準備も進めてて、来年の3月まで退職できないなんてこと無理なんです…だから…どーしたらいいんでしょうか…やっぱり私誓約書にサインしてるから辞められないんでしょうか…?
アバター画像
アバター画像
そんなことないよ。そんな誓約書にサインしてたとしても辞められるから大丈夫だよ。

民法では「退職の自由」が認められている

え?…「~まで辞めません」ってゆー誓約書にサインしてても大丈夫なんですか?
アバター画像
アバター画像
大丈夫だよ。だってこの前の「会社が退職届(退職願)の受け取りを拒否している」っていう相談の時も説明したと思うけど、民法では「退職の自由」が明文で認められてるから、会社との間で結ばれた雇用契約(労働契約)が「期間の定めのない雇用契約(労働契約)」である限り、労働者は「いつでも」会社に対して「退職の意思表示」をすることができて、その「退職の意思表示」をした日から2週間が経過した日に会社との間の雇用契約(労働契約)が解約されるのが原則だから、そんな誓約書にサインしてたとしても「退職できない」っていうことにはならないからね。
この前の説明?…そんな説明してもらってましたっけ?…この前教えてもらったことはスマホに記録しておいたはずなんだけど…ちょっと待ってくださいよ…ぴこぴこぴっ…あっ、あったあった、このページか…
アバター画像
アバター画像
…ってそれ肉球じゃねーかよ!!
え?ネコ界隈では肉球でインターネッコに接続できるんですよ。トルティーヤ先生、猿のくせに知らなかったんですね?…どれどれ?…ふむふむ…ほへ~…ほんとだ!詳しく説明してもらってましたね!
アバター画像
アバター画像
…で、その時にも説明してるけど、民法の627条では会社と労働者の間で結ばれた雇用契約(労働契約)に「期間の定めがなかったとき」は労働者は「いつでも」その契約を解約することの「申入れ」をすることができるって規定されてるから、正社員とか会社との契約が「期間の定めのない雇用契約(労働契約)」である限り、そんな「~まで辞めません」っていう誓約書にサインしてたとしても「いつでも」「自由に」勤務先の会社を退職することができるってことになるんだよ。
【民法627条1項】
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。

「~まで辞めない」旨の誓約書を有効と考えると「強制労働の禁止」を定めた労働基準法の規定が形骸化してしまう

あの~…でもトルティーヤ先生、そういう「退職の自由」を規定した民法の規定があるのは分かるんですけど、「~まで辞めません」っていう誓約書にサインしてるってことは、そういう民法で定められた「退職の自由」があることを承知の上で、その「退職の自由の権利を放棄してる」ってことにはならないんですか?
アバター画像
アバター画像
まあ、そういう理屈が成り立たないわけじゃないだろうけど、そういう理屈は法律的には通らないよね。
どーしてですか?
アバター画像
アバター画像
どうしてって…それはね、労働基準法っていう法律で「強制労働」が明確に「禁止」されてるからなんだよ。
きょーせーろーどーのきんし…?
アバター画像
アバター画像
そう、「強制労働の禁止」。労働基準法っていう法律の5条では、雇い主(個人事業主も含まれる)が「暴行」とか「脅迫」「監禁」「その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段」を用いて労働者に労働を強制することが禁止されてるんだけどね…
【労働基準法第5条】
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
アバター画像
もしも雇い主が労働者に「~まで辞めません」っていう誓約書にサインさえさせれば民法で認められた「退職の自由」に関係なく働かせることができるって考えてしまうと、この労働基準法5条の規定が形骸化して意味のない法律になってしまうよね?
う~ん…でも、誓約書にサインするかしないかは自由で会社から無理やり誓約書にサインさせられたわけじゃないから、民法で認められてる「退職の自由」っていう「いつでも自由に会社を辞めていい権利」をその誓約書にサインすることで「放棄した」ってことにはならないんですか?
アバター画像
アバター画像
そうはならないよ。だってそもそも労働基準法は強行法規って考えられていて労働基準法やその趣旨に反する当事者間の合意は無効って判断されるから、仮に誓約書が「退職の自由」を放棄する趣旨のものであったと考えても、その誓約書の内容が「強制労働の禁止」を規定した労働基準法の規定に反している限りその誓約書自体が無効って判断されることになるからね。
アバター画像
それに、労働者が使用者に採用されるときは立場の弱い労働者は会社から「誓約書にサインしてください」って言われたら普通は断れないでしょ?…だってそんなんで断ってたら「じゃあいいです、他の人採用しますから」って言われて採用してもらえなくなっちゃうのは目に見えてるじゃん…
まあ…それはそーですね…
アバター画像
アバター画像
そういう風に考えたら、もしもそういう誓約書の効力を有効と考えてしまうと立場の強い雇い主(会社)はいくらでも労働者を「その意思に反して労働を強制」することが可能になってしまって不都合になるでしょ?…
アバター画像
そうすると「強制労働の禁止」を規定した労働基準法の規定が有名無実化して意味のないものになってしまうのは避けなければならない…だから、仮にそういった「〇年○月まで退職しません」って言うような誓約書にサインしてたとしても、そんな誓約書は無効って考えられるから、そんな誓約書の存在なんか無視して退職届(退職願)を提出すれば問題なく会社を辞めることができるって考えられるんだよ。
ねるほど~…じゃ、会社の人…じゃなかった猫は「誓約書にサインしてるから辞めさせない」って言ってるけど、そんなの無視して自分の辞めたい日に辞めることができるってことなんですね…?
アバター画像
アバター画像
まあ、そういうことになるよね。

誓約書を根拠に会社が退職を認めない場合の対処法は?

あの…ただ私の場合、会社の人事部のえらい人…じゃなかった猫が「誓約書にサインしてるんだから辞めさせないぞ」って言って辞めるのを認めてくれない状況なんですけど…こういった場合は具体的にどーしたらいいんですか?
アバター画像
アバター画像
…そういう場合は…この前の「会社が退職届(退職願)を受け取ってくれない」っていう件の時に説明したのと同じように、会社に退職届(退職願)を内容証明郵便で送り付けて、2週間が経過した日以降は会社に出社しないようにするしかないんじゃないかな…
う~ん…やっぱそうか~……あの…でも、たとえば労働基準監督署に相談に行ったりしたら解決してもらえたりしないんでしょうか?…
アバター画像
アバター画像
監督署?…う~ん、どうだろうね…確かにさっき説明したように労働基準法に「強制労働の禁止」が明記されてるから、「~まで辞めません」っていう誓約書にサインしていることを根拠に会社が退職を認めてくれないっていう問題も労働基準法違反ってことで監督署の調査対象にはなるにはなるんだけど…
アバター画像
ただ「会社が退職を認めない」っていう問題は基本的に会社に退職届(退職願)を提出するだけ(会社が受け取りを拒否している場合は内容証明郵便で送り付けるだけ)で退職の効力は発生するから、監督署が具体的な対処をしてくれるかって言うと、あまり期待はできないんじゃないかな…
アバター画像
もちろん、暴行とか強迫とか監禁とか生命・身体に特別な危険が生じてるって言う場合は別だけど、いまの『にゃりか』ちゃんのケースのように単に会社が「退職を認めない」って主張してるだけの状態では監督署も積極的に動いてくれないかもしれないよね…でもまあ、監督署に相談に行くのは行ってみてもいいんじゃない?監督署に相談すること自体は無料だから…
ふ~ん…そっか~…どーしよーかな…
アバター画像

エピローグ

アバター画像
会社に「~まで辞めません」っていう誓約書にサインしていることを理由に退職を制限されている場合の法律的な考え方と具体的な対処法はこんな感じだけどうかな、ある程度は理解できた?
そうですね…民法で「退職の自由」が認められてるし労働基準法でも「強制労働の禁止」が明確に規定されてるから「~まで辞めません」っていう誓約書にサインしててもそんなの無効って考えて無視して問題ないってことはわかりました。あとは会社の人事部の人…じゃなくって猫事部の猫がそれで納得してくれるかってことなんだけどそれでもしつこく辞めるのを妨害してきたときは…
アバター画像
アバター画像
まぁ、その時はその時でまたあらためて考えたら?…「~まで辞めません」っていう誓約が労働基準法の「強制労働の禁止」に反することになるってことは知らない会社も多いから(…ただほんとはそれを知らないってこと自体恥ずかしいことなんだけどね…)、いま説明したことを会社の人に話すだけで問題が解決することもあると思うんだよね…だから、とりあえず会社ともう一度話をしてみて会社の対応を見てみるのもいいんじゃないかな、でそれでも会社が退職を妨害するようだったらまた来てくれればいつでも相談に乗ってあげるし……ってウキキィ?
アバター画像
やべっ!もうこんな時間かよっ!…今日俺、山にコケと鉱物探しに行くことになってるからそろそろ帰るわ…じゃネコさんまたねっウキキッキィー!!
コケと鉱物って…!?トルティーヤ先生-!!
アバター画像
広告

私のために誰かのためにシェアする

別れ際、ついでにフォローする

トップへ戻る