退職届の受け取りを拒否されたら会社を辞められないの?

私のために誰かのためにシェアする

うえ~ん…こまったこまった、にゃりかこまったよ~…
アバター画像
あっ!…今の聞いてました?…あの、実は私『にゃりか』ってゆーんですけど、昨日の朝起きて突然ひらめいたんです「なんだか今日、会社を辞めたいっ!」って…
アバター画像
…え?…なんで会社を辞めたいのかって?…いや、別に会社に不満とかは無いんですけど、もっと自分を表現できるアーティスティックな仕事をしたいなって前から思ってて、それで21歳になった今年に入って「ここいらで、リ・スタートをしてみようかな」って決心してたことはしてたんですよ…
アバター画像
…でね、いったんそう思ったらその衝動を抑えられなくなっちゃって、それで「そうしよう!」ってなっちゃって、すぐに退職届を書いて上司の猫に提出しちゃったんです…
アバター画像
ただね、そこまでは良かったんですけど、退職届を受け取った上司が「会社の売り上げが右肩上がりになってるこの忙しい時に辞めるなんて何考えてるんだ!」「退職なんて認められるわけないだろ!」って怒りだしちゃって、提出した退職届を突き返されてしまったんです…
アバター画像
…でももう、自分の中では会社を辞める気持ちは変わらないし、次のアーティスティックな仕事の準備も始めてるから、辞めさせてもらえないってゆーのはとっても困るんだよね…あ~あ~…どーしたらいいんだろ…
アバター画像
【会社が退職届(退職願)を受理しないことで退職を拒否される問題】
正社員やアルバイト・パートの区別にかかわらず、勤務している会社を退職したい場合には退職届(退職願)を作成して上司に提出し退職の意思表示を行うのが一般的です。
しかし、稀に悪質なブラック体質の企業では労働者から提出された退職届(退職願)を受け取らず、または受け取りを拒否して退職を認めないケースが見受けられます。
このような場合、退職の意思を有する労働者は退職を制限され自分の希望に反してその会社に勤務することを強制させられることになりますが、そのように会社が退職届(退職願)の受理を拒否している場合、具体的にどのように対処すれば会社を退職することができるのでしょうか?

広告

プロローグ

アバター画像
うわっ…やべー…財布の中に3円しか入ってねーよ…定期とケーキ間違えて持ってきちまったから現金できっぷ買おうと思ってたけど…これじゃ徒歩でいくしかねーな…
あれ?…お猿さんがいるっ?……あの~…もしかしてトルティーヤ先生じゃありませんか…?
アバター画像
アバター画像
え?…ええ、トルティーヤは私ですけど…えーっと…どちら様でしたっけ?
あ、あの私『にゃりか』っていいます。あの、お友達の『まにゃったん』からこの近くにトルティーヤっていう猿の先生が住んでていろいろ相談に乗ってもらってるって話を聞いてたから、もしかしたらそうじゃないかなって思って声をかけてみたんです…
アバター画像
アバター画像
まにゃったん?…あ~あのいつも労働トラブルに巻き込まれて相談にくる猫のことね……ただ俺、猿じゃなくて見てのとおりチンパンジーだからさ…
あっごめんなさい…あの…そうだ、ここで会ったのも何かの縁だと思うんでもし時間あったら少し教えてもらいたいことがあるんですけど…
アバター画像
アバター画像
え?…何?…少しなら別にいいけどややこしいことは聞かないでね、俺用事あってあんまり時間ないから…
ありがとうございますっ!…あの、実は私、勤務先の会社の上司に退職届を提出したんですけど、上司の猫がその退職届の受け取りを拒否してて会社を辞められなくて困ってるんです…こういう場合ってどーしたらいいんでしょうか?
アバター画像
アバター画像
会社が退職届を受け取ってくれなくて退職できなくなってる?…それならその提出した退職届(退職願)を内容証明郵便で会社に郵送するのが一番いいかもしれないね…

内容証明郵便で退職届(退職願)を郵送する

ないよーしょーめい…?
アバター画像
アバター画像
うん…内容証明郵便。内容証明は郵便局が取り扱ってる文書の発送手段のことでね、全く同じ内容の文書をあらかじめ3通作成してその3通を郵便局に持って行って「内容証明で送ってください」ってお願いするとやってもらえるんだ。具体的にはその3通全てに郵便局の証明印が押されてそのうち1通が郵便局に保管されて、もう1通が相手方に郵送されることになる。そして残りの1通は本人の保管用として返してもらえるんだけどね…こうすることで仮にその文書の受取人が「そんな文書受け取ってない!」って反論してきたとしても郵便局に全く同一の文書が保管されてるから、郵便局に「いや、その文書は間違いなく郵送してますよ」ということを証明してもらうことができるんだ。
へー…そんな手続きがあったんだ…
アバター画像
アバター画像
…んで、『にゃりか』ちゃんのケースのように会社が退職届(退職願)の受け取りを拒否してるような場合も、あらかじめ作成した退職届(退職願)を内容証明郵便で会社に郵送すれば会社が受け取りを拒否することは事実上できないことになるし、仮に会社が「退職届(退職願)なんて受け取ってない!」とか後で反論してきたとしても、内容証明を頼んだ郵便局に会社に郵送した退職届(退職願)と全く同じものが保管してあるから、郵便局が「その退職届(退職願)は間違いなく郵送してますよ」って証明してくれるんだ。
アバター画像
そうすると、もし後で退職の効力に争いが生じて裁判になったとしてもこちらが不利にならなくて済む。だから『にゃりか』ちゃんのケースのように会社が退職届(退職願)の受け取りを拒否しているような場合では内容証明郵便を利用するのは有効と考えられるんだよ。
なるほどね~…
アバター画像

正社員などの「期間の定めのない労働契約」の場合、会社は労働者からの退職の意思表示を拒否できない

あの…でもトルティーヤ先生、会社に退職届(退職願)を内容証明郵便で送りつけるだけでそもそも退職って認められるものなんですか?…だって私の上司は「退職なんて認めないぞ!」って言ってるわけだから内容証明郵便を使って会社に退職届(退職願)を無理やり送り付けたとしても、会社の方で私が退職することを認めないって判断されたら退職できなくなっちゃうんじゃないですか…?
アバター画像
アバター画像
いや、そうはならないよ…だって民法では「退職の自由」が明文で認められてるから、労働者が退職届(退職願)を提出して退職の意思表示を行ってその退職届(退職願)が会社内で受理権限のある人に渡った時点で会社側の承諾の有無に関係なく退職の効果は生じてしまうんだよね…だから、会社がいくら「退職なんて認めない!」って主張したところで「会社を退職した」っていう法律上の事実は変わらないから、退職届(退職願)を送り付けるだけで会社が辞めさせてくれないっていう問題は解決できるんだよ。
たいしょくのじゆう…?
アバター画像
アバター画像
そう「退職の自由」。民法の627条では、会社と労働者の間で結ばれた雇用契約(労働契約)に「期間の定めがなかったとき」は「いつでも」その契約を解約することの「申入れ」をすることができるって規定されてるから、会社との契約が「期間の定めのない雇用契約(労働契約)」である限り、会社の承諾の有無にかかわらず「いつでも」「自由に」勤務先の会社を退職することができるってことになる。これが「退職の自由」って言われているんだよ。
【民法627条1項】
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。
その「雇用の期間を定めなかったとき」ってゆーのはどーゆー意味なんですか?
アバター画像
アバター画像
「雇用の期間を定めなかったとき」っていうのは、会社と雇用契約(労働契約)を結ぶ際に「○年○月から○年○月まで」っていうように契約期間が定められていないような契約形態のことだよ。
アバター画像
日本の雇用契約(労働契約)には「期間の定めのない雇用契約(労働契約)」と「期間の定めのある雇用契約(労働契約)」の2種類しか存在しないから、正社員でもアルバイト・パートでも契約社員でも派遣社員でも、全ての労働者はこの2種類のどちらかの契約で会社と雇用契約(労働契約)を結んでることになるんだ。
アバター画像
ちなみに、一般的に「正社員」として働いている場合は契約の更新がなくて就職すれば定年まで”終身雇用”されるのが通常だから「正社員」の人は「期間の定めのない雇用契約(労働契約)」で雇われてることが多いといえるんだけど、アルバイトとか契約社員の場合は「○年○月から○年○月まで」っていうように契約期間が定められていることが多いから「アルバイト」とか「契約社員」として働いている場合は「期間の定めのある雇用契約(労働契約)」として雇われていることが多いのが実情といえるよね。
なるほど…そーゆーことか…
アバター画像
アバター画像
…で、『にゃりか』ちゃんは正社員としてその会社で働いてるの?それともバイトで雇われてるの?
私は正社員です。新卒で入社して4年目だから…
アバター画像
アバター画像
なるほど…で、入社するときに契約期間が「○年○月から○年○月まで」っていうように定められてたとか「○年ごとに契約の更新がある」っていうような話がされてたとかいうような事実はあった?
いえ、そんなのはなかったです…一応入社するときは定年まで勤め上げるつもりで入社したし…
アバター画像
アバター画像
じゃ、『にゃりか』ちゃんの場合は「期間の定めのない雇用契約(労働契約)」ってことになるから、さっき説明した民法第627条1項の規定がそのまま当てはまることになるよね。だったら『にゃりか』ちゃんは「いつでも」会社に対して「退職の意思表示」をする「退職の自由」が法律上認められていて会社側はその『にゃりか』ちゃんの退職の意思表示を拒否することはできないから、『にゃりか』ちゃんが内容証明郵便で退職届(退職願)を会社に送り付けることで「退職の意思表示」は法律上有効に成立することになるのは間違いないよ。
そっか~なるほどね~…そーゆー法律の規定があるから内容証明で退職届(退職願)さえ郵送しておけばいいってことになるのか…
アバター画像
アバター画像
ただ、退職の効果が発生するのはあくまでも「内容証明郵便で退職届(退職願)が会社に郵送された日から2週間が経過した日」になるから(※注1)、内容証明郵便で郵送されてから2週間は会社に出社しなきゃ無断欠勤扱いになってしまうんでその点に注意は必要だよね…

※注1:ただし、給与の計算が1か月ごとに計算される完全月給制の会社では退職届(退職願)は退職する日の前月の前半までに会社に提出しなければなりません(民法627条2項)。

たとえば、完全月給制の会社を6月10日付で退職したい場合は退職日の2週間前にあたる5月26日ではなく退職月の前月の前半にあたる5月15日までに「6月10日付で退職します」と記載された退職届(退職願)を会社に内容証明郵便で送り付ける必要があります。

【民法627条2項】
期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。

なるほど~…注意しよっと…
アバター画像

内容証明郵便で退職届(退職願)を送り付けても会社が退職を認めない場合は?

でも、あの…上司が退職届(退職願)の受け取りを拒否しているときは退職届(退職願)を内容証明郵便で送り付ければいいってことは分かったんですけど、それでも上司が「退職は認めないぞ!」って言ってきたときはどう対処したらいいんですか?
アバター画像
アバター画像
そういう時は、もうその上司の言葉を無視して退職届(退職願)に記載した退職日まで会社でいつも通り粛々と勤務するしかないだろうね…で、退職届(退職願)に記載した退職日が到来したらその日以降は一切会社に出社しないってことにするしかないんじゃないかな…
…そんなんで大丈夫なんですか?…そんなことしたら会社が嫌がらせで翌月の給料日に給料を振り込まないとかしてくるんじゃないでしょうか…?
アバター画像
アバター画像
その時は単に「会社が給料の未払いを起こしてる」っていうことでまた別の法律問題になるから、そういう場合は「給料の未払い」に対する対処法を取って対処しなきゃならないだろうね…ただ、それをここで説明すると話が長くなるしややこしくなるから、その時はその時でまた相談に来てくれれば説明してあげるよ…
う~ん…なるほど…やっぱりさっき説明してもらった通り退職届(退職願)を提出すれば上司が「退職を認めない」って言ってきたとしても法律的には退職届(退職願)に記載した退職日で退職したことになるから、退職届(退職願)を内容証明郵便で郵送して後は無視する以外ないのか…
アバター画像
アバター画像
ま、極端にいうとそういうことになるよね…

提出するのは「退職届」「退職願」のどちらでもよい

あの…ちなみになんですけど、会社を辞めるときって「退職届」とか「退職願」を作って会社の上司に渡すのが普通だと思うんですけど、その「退職届」と「退職願」って何が違うんですか?…「届」って書くのと「願」って書くので何か効力に違いがあるんですか?
アバター画像
アバター画像
別にないと思うよ…「退職届」も「退職願」も労働者が使用者に対して「労働契約の解約の意思表示」をすることには変わりないから、会社を退職するときに会社に提出する文書に「退職届」と表記しようが「退職願」と表記しようが効力に違いはないよね。
でも、昨日インターネッコで検索したら「退職届」の場合は「絶対に会社を辞めるって意思表示をすること」で「退職願」は「会社に対して退職したいんですけどいいですかってお願いすること」になるから、絶対に会社を辞めたい場合は「退職願」じゃなくて「退職届」って書いとかないと、会社が退職を認めない場合は辞められなくなっちゃうって書いてある記事がたくさんあったんですけど…
アバター画像
アバター画像
それは正しくないね…だって、会社に提出する書類に「退職届」と表題しようが「退職願」と表題しようが、その文書が「退職する意思表示を明記した文書」であることに違いはないんだから、「退職届」と記載した文書でも「退職願」と記載した文書でも、それが会社に提出して受理権限のある人に渡った時点で「会社に対する退職の申入れ」自体は法律上有効に成立することになるからね。
アバター画像
…で、さっきも説明したように民法の627条1項では「雇用の期間を定めなかったとき」は「解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する」って規定されていて労働者が会社を退職するのに会社側の承諾なんて必要ないんだから、「退職届」を提出しようが「退職願」を提出しようが「退職の申入れ」は有効に生じてその申入れの日から2週間が経過した日で会社との間の労働契約(雇用契約)が解約されることに違いはないんだよ。
な~んだ…じゃ、退職届でも退職願でもどっちでもいいってことか…
アバター画像
アバター画像
そうだね…とにかく日本では「期間の定めのない雇用契約(労働契約)」の場合は「退職の自由」が認められてるんだから「退職する意思表示」さえ記載しておけばその文書の表題に「退職届」と記載しようが「退職願」と記載しようが、会社の承諾の有無にかかわらず会社を辞めることはできるってとこを忘れないようにするのが大切だね。
はーい…
アバター画像

エピローグ

アバター画像
一応、会社が退職届(退職願)を受け取らない場合の法律的な考え方と具体的な対処法はこんな感じになるけど…どう?ある程度理解できた…?
そーですね…とにかく、上司が退職届(退職願)を受け取ってくれないんだったら最終手段として内容証明郵便で退職届(退職願)を郵送してあとは何を言ってきても無視するしかないってことは理解できました…あとは…今聞いた民法の規程を明日もう一度会社の上司に説明してみようと思います…で、それでも退職届(退職願)を受け取ってもらえないってなったら内容証明郵便で郵送してみようかな…
アバター画像
アバター画像
そうだね、それがいいかもね…ま、それでまた会社側がなんか言って来たり嫌がらせをしてきたときにはまた来てくれればいつでも相談に乗ってあげるから、あんまり不安になる必要もない……ってウキキィ?
アバター画像
やべっ!もうこんな時間かよっ!!…俺この前の等比数列のテストで見当違いの健闘回答出しちゃったから補修受けることになってて学校行かなくちゃなんないんだよね…じゃ、そろそろ俺行くわ…なんかあったらまた来てね!ウキキッキィー!!
等比数列…?…あのちょっと…どーでもいいけど今着てるベスト裏表になってますよっ…背中のタグに気付かないんですかー!?…トルティーヤ先生~!!
アバター画像
広告

私のために誰かのためにシェアする

別れ際、ついでにフォローする

トップへ戻る