出向命令を拒否できるのはどんな場合?

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あわわわ…ど、ど、ど、どーしよ~…!
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あ…なんだ…また盗み聞きしてたんですか?…やだもうっ!…え?何をそんなに慌ててるのかって?…いや…実はですね、この前、上司から配置転換を打診されそうになってるって件でトルティーヤ先生のところに相談に行ったの覚えてます…?
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その件は、あの後会社の上司にトルティーヤ先生に教えてもらったとおりに法律上の解釈を説明したんですよ…「私が入社した時の労働契約書では職種が”商品開発”って限定されてるから”商品開発職”から”営業職”といった職種の変更を含む配置転換は労働者の個別の同意が必要ですよ」「でも私、営業職に異動するのは嫌だから、今回の配転命令は拒否します」っていう感じで…
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そしたらね、上司が「配転を拒否するんなら拒否してもいいよ」「でも、それならうちの関連会社に出向してもらうことになるからね」って言われちゃって、再来月から関連会社に出向させられてしまうことになっちゃったんです…
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だから、会社の出向命令を拒否する方法をトルティーヤ先生に相談しようと思って、今日もトルティーヤ先生のおうちに来てみたんですけど……トルティーヤ先生いるかな~…出かけてたりしたらヤダな~…
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【会社からの出向命令を拒否することはできるか?】
現在勤務している会社に従業員としての籍を残したままで他の会社に出勤しその他の会社の指揮命令下で働くことは「出向」と呼ばれます。
会社で働いていると稀に会社からこの「出向」を打診されることがありますが、会社から出向を命じられた場合、その出向命令を拒否することはできるのでしょうか?
出向は、現在の会社に籍を残しつつも出向先の会社の指揮命令下で働くことになりますから、職場の人間関係や勤務時間・休日等の労働環境に大きく変更が生じることになり労働者に大きな負担を生じさせる可能性があるため、労働者がどのような場合に会社からの出向命令を拒否することができるのか、という点が問題となります。

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プロローグ

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あ~…喉乾いたな~…チャッス飲みて~なチャッス…
あっ…トルティーヤ先生こんにちはっ!
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え?…なんだ…こないだ来たネコか…え~っと名前なんだったっけ…?
『にゃんぜ』ですっ!…にゃんぜの勢い止まにゃんぜ、でおなじみのにゃんぜですよっ!
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…あ、そうそう『にゃんぜ』ね…で、なに?…まだ会社でトラぶってんの?
そーにゃんですっ!…先日相談した営業部への配転命令の件はトルティーヤ先生に教えてもらったとおりに会社の上司に伝えてなんとか解決したんですよ…でも、今度は上司から出向命令を出されてしまって、再来月から関連会社に出向させられそうになってるんです…だから、今日はその出向命令をどうしたら拒否できるのかっていう点を教えてもらおうと思って来たんですよ…
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え?出向?…どうやったら出向命令を拒否できるかってこと?
ええ…出向命令を拒否できるのかっていうことと、出向命令を拒否する場合の具体的な対処法を教えてもらいたいんですっ!
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「就業規則」または「個別の労働契約」で出向を命じる根拠が規定されているか

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会社の出向命令を拒否できるかっていう点を考える場合は、まず最初に会社の「就業規則」とか入社するときに会社との間で合意した「個別の労働契約(雇用契約)」に「出向を命じる根拠となる規定」が存在するかっていう点を確認する必要があるだろうね。
出向を命じる根拠となる規定…?
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うん。会社っていう組織は雇い入れた労働者を適切な部署に配置して最大限の利益を出すことが目的となるから、会社は雇い入れた労働者をどのように配置するかを決定する「人事権」を本来的に有しているって考えられてるんだけど…
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…会社の人事権を無条件に際限なく認めてしまうと会社が労働者の意思を無視していくらでも配置転換や出向、転籍なんかを認めることになって労働者の保護が図れなくなるから、会社が労働者に配置転換や出向、転籍を命じる場合ためには就業規則であらかじめ配置転換や出向、転籍に関する規定を定めておくか、労働者と労働契約を結ぶ際に個別の労働契約で配置転換や出向、転籍に関する合意をしておく必要があるんって考えられてるんだ。
う~ん…「会社は出向を命じることができる」っていうことが「就業規則」とか入社するときに取り交わす「労働契約書(雇用契約書)」に明記されていないと会社は労働者に出向を命じることができないってこと…?
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そういうことだね。「就業規則」や「個別の労働契約(雇用契約)」で会社における「出向命令権」が明確に規定されていないと「会社が労働者に配置転換を命じることができる」ということが労使間の労働契約の内容に含まれていないことになるから、「就業規則」とか個別の「労働契約書(雇用契約書)」に「出向を命じることができる」って規定がない場合には、労働者の同意がない限り会社は労働者に対して出向を命じることができないってことになるんだ。
なるほど~…「就業規則」とか個別の「労働契約書(雇用契約書)」に「会社は出向を命じることができる」って規定されていれば、労働者としても「出向を命じられることがある」ってことに同意して入社したことになるから会社から出向を命じられれば拒否できないけど、そういう規定がなかった場合は労働者が出向に同意しない限り会社は出向を命じられない…つまり労働者の方が出向命令を拒否できるってことになるのか…
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そうなんだよね。…で、『にゃんぜ』ちゃんの場合はそういう規定が就業規則とか個別の労働契約(雇用契約)で明確に規定されてたんだっけ…
あ…え~っと、こないだ相談してもらった後に契約書を読み返してみたんですけど、入社するときに会社からもらった雇用契約書には特に出向に関する規定は書かれてなかったみたいです…ただ、あの後会社で就業規則のコピーをもらったんで今そのコピーを持ってきてるんですけど、就業規則には「会社は、業務の都合上必要がある場合には、出向を命ずることができる」って書かれてあるみたいです…ほら、ここんところに…
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…どれどれ…ふ~ん…なるほど、確かに就業規則には「会社は、業務の都合上必要がある場合には、出向を命じることができる」ってきちんと記載されてるみたいだね…
…ってことは…じゃあ、会社の出向命令は正当ってことになるじゃないですか?…だったら私、会社の出向命令を拒否できないってことでしょ…?…そんなの嫌ですよっ!!
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「就業規則」や「労働契約」における出向の規定は包括的な内容であってはならない

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…いや、そんなに嘆く必要はないよ…だって、仮に就業記憶とか個別の労働契約に「出向を命じることができる」って明確に規定されていたとしても、それだけで会社の出向命令が認められるわけじゃないからね。
え?…どういうことですか?…だって就業規則とか個別の労働契約(雇用契約)に「会社は出向を命じることができる」って明確に規定されてたら労働者は「会社から出向を命じられることもある」ってことを合意したうえでその会社に入社してるってことになるんでしょ…?
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それに、この前相談した「配転命令」の場合も、就業規則とか個別の労働契約(雇用契約」で「会社は配置転換を命じることができる」って明記されてたら会社は労働者に配転を命じることができるのが原則で、個別の労働契約で職種や勤務地が限定されていない限り労働者はその配転命令を拒否できないわけですよね…?
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…だったら「出向」の場合も就業規則とか個別の労働契約(雇用契約)に「会社は出向を命じることができる」って規定されていたら労働者は拒否できないってことになるんじゃないですか…?
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いや、そうはならないんだ。確かに前にも説明したように「配置転換(配転命令)」の場合は就業規則とか個別の労働契約(雇用契約)で「配転を命じることができる」って規定されていれば会社は労働者に配転を命じることが認められるんだけど…「配転」と「出向」ではその結果が大きく異なるから、「配転」の有効性の判断基準をそのまま「出向」の有効性の判断基準に使うことはできないって考えられてるんだ。
…え?…どーゆーこと…?
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詳しく説明するとね、そもそも「配転(配置転換)」の場合は、それを命じられる労働者が現時点で働いている「職種」とか「勤務する場所」が変更されるだけで勤務する会社自体が変更されるわけじゃないよね?…だって、配転(配置転換)の場合は「開発部」から「営業部」に異動させられたり「本社」から「大阪支店」に転勤させられたりすることはあっても、「今働いている会社」から「全く別の会社」に異動させられることはないわけだから…
う~ん…まあ、そうですね…確かに配転の場合は社内での配置転換に過ぎないから働く会社自体には変更は生じませんね…
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そうだよね…でも出向の場合は違うよね?…だって「出向」は現在働いている会社に従業員としての「籍」は残したままで全く別の会社で働くことを意味するわけだから、実際に働く会社自体が変更されるわけでしょ?…たとえば「A社」で働いている労働者がその「A社」から「A社の関連会社のB社に出向してくれたまえ」って命じられて「B社」に出向する場合は、その出向を命じられた労働者は「A社の社員」としての地位に変わりはなくても「B社」で「B社」の従業員として「B社の上司」の指揮命令を受けて「B社の利益のため」に働くことを義務付けられるわけだから…
う~ん…確かにそうですね…「出向」の場合は単なる「配転(配置転換)」と違って全く別の会社で働くことになるわけだから…「出向」と「配転」では労働者側が受ける影響には大きな違いがありますね…
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そうだよね…そう考えると「出向」の場合と「配転」の場合で有効性の判断基準を同じにしてもいいかな?
う~ん…それは同じじゃおかしいと思います…だって「配転」の場合は同じ会社内での異動に過ぎないから会社が配転を命じられる基準もある程度緩くてもいいかもしれないけど、「出向」の場合は全く別の会社で働くことになるわけだから「配転」の場合よりも厳しい基準で会社が命令できる場合を限定したほうがいいんじゃないかと思います…
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そうだよね…同じ会社内での異動にすぎない「配転」に比べて「出向」は従業員としての籍は従前の会社に残されていても、実際に働く会社自体に変更が生じて「全く別の会社の従業員」として働くことを余儀なくされるわけだから、「配転」の場合のように就業規則とか個別の労働契約(雇用契約)に「会社は出向を命じることができる」っていうような出向に関する包括的な規定があるだけで出向命令を認めるんじゃなくて、より具体的な出向に関する内容が定められていない限り会社の出向命令を認めないようにして労働者の保護を図る必要があるんだ。
…出向に関する包括的な規定だけでは足らなくって出向に関する具体的な内容が規定されていないと会社が出向命令を出すことはできないってことになるんですか?…で、その具体的な出向に関する内容ってどういうものになるんですか?
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