有期労働契約から無期労働契約への転換申し込みの方法と手順

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う~んと…確かこの辺りなはずなんだけど……あ…ちょっと、何そんなところからのぞき見してるんですかっ!?
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え?…どこに行くのかって?…トルティーヤ先生のとこですよ…ほら『まにゃったん』さんがいつも労働トラブルの相談に行ってる…え?…いや…私の場合はトラブルって程じゃないんですけどね……
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実は私、地元の将棋道場で看板猫のアルバイトしてるんですけど、もうそろそろ正社員にしてもらおうと思ってですね…え?…看板猫っていうのは将棋道場に来るお客さんの周りをうろついて愛嬌を振りまく仕事ですよ…将棋の合間に「にゃりんちゃんおいでおいで~」って気分転換に撫でに来る人がチラホラいて結構評判いいんですよね…
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いや…そんなことどーでもいいじゃないですか…でね、正社員になりたいなって思ったんですけど、うちの将棋道場のオーナーさんって「にゃりんちゃん有能だね~」っていつも言ってくれるくせに、ぜんぜん正社員にしてくれないんですよね…だから私の方から「正社員への転換申し込み」をしてみようと思って…
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ほら…最近ニュースで話題になってるじゃないですか、法律が変わって何年かアルバイトで働いたら会社の方に「正社員にしろっ!」って「転換の申し込み」ができることになったって…だから、その「正社員への転換申し込み」の具体的な方法をトルティーヤ先生に教えてもらおうと思って、今日は肉球を棒にしてここまで歩いて来たってわけなんです…
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え~っと…確かこの角を右に曲がったらトルティーヤ先生のお家があるはずなんだけど…ん?…あれかな…?
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【アルバイト・パート・契約社員から正社員に”転換”するための方法】

平成25年に施行された改正労働契約法の第18条では、1回以上更新されている「有期雇用契約(期間の定めのある労働契約)」において、更新された契約期間が通算して5年を超えた場合には、労働者側からの一方的な「申込み」によって「有期雇用契約」から「無期雇用契約」に「転換」すること(「期間の定めのある労働契約」から「期間の定めのない労働契約」に変更させること)が認められることになりました。


労働契約法第18条1項

同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(中略)の契約期間を通算した期間(中略)が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。(後段省略)。


この「有期雇用契約」から「無期雇用契約」への「転換」の制度は、「契約期間」が「〇年〇月~〇年〇月まで」などと一定の期間に定められ「解約期間が満了」して会社側から「契約の更新」が受けられない場合は「雇い止め」として退職を迫られる「非正規労働者」の立場から、「契約の更新がない」いわゆる「終身雇用」が保障された「正規労働者」になることを意味します。

すなわちこれは、「いつ会社を辞めさせられるかわからない」不安定な雇用形態であるバイトやパート、契約社員といったいわゆる「非正規労働者」の立場から、いったん採用されれば定年まで従業員としての地位が保障される「終身雇用」を前提とした「正規労働者」として雇用されることを意味しますから、「契約の更新が必要ない」という点を強調すれば「アルバイトやパート、契約社員」という不安定な雇用形態からより安定的な「正社員」という正規労働者になれることを意味します。

では、この「アルバイト・パート・契約社員」から「正社員」への「転換申し込み」…正確には「期間の定めのある労働契約(有期労働契約)」から「期間の定めのない労働契約(無期労働契約)」の制度を利用するには、具体的にどのような手順を踏めばよいのでしょうか?

ここでは、労働契約法18条に規定された「有期労働契約から無期労働契約への転換(”期間の定めのある雇用契約”から”期間の定めのない雇用契約”への転換)」の制度の具体的な利用方法について考えてみることにいたします。

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プロローグ

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あ~…やっぱ飯食う時はキノコ型のクッションないと駄目だよな~…キノコ型のクッションに座って食うのが背筋も伸びて健康にいいんだよな~…
あの~…すみません…もしかしてトルティーヤ先生では…
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え?トルティーヤ?…はぁ…トルティーヤは私ですけど…どちら様…?
あ!よかった…やっぱりトルティーヤ先生でしたか…あの、わたし「にゃりん」っていう猫なんですけど、先輩の『まにゃったん』さんから紹介してもらってアルバイトのことで相談に……
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『まにゃったん』?…あ~…あのしょっちゅう労働トラブルに巻き込まれて泣きついてくる猫のことね…ん~…で、なに?バイトのことで相談だって?…あのさ~…困るんだよね~…最近「まにゃったんさんから紹介してもらって相談に来たんです!」とか言って押し掛けてくる猫が多くってさ~…
あ、ごめんなさいっ!…迷惑でしたか?…やっぱ帰った方がいいですかね…
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いいよもう…ここまで来て帰れっていうのもかわいそうだし…で、何?…何を知りたいの?
ありがとうございますっ!…あの、「正社員への転換申し込み」の制度の利用方法について教えてほしいんですけど…
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正社員への転換…?
ええ…実はわたし、3年ほど前から将棋道場で看板猫のバイトやってるんですけど…将棋道場の運営会社が全然正社員にしてくれないんで「正社員への転換申し込み」をしようと思ってるんですよ…なんか法律ができたんですよね?アルバイトとか契約社員でも一定の年数が経過したら会社の方に「正社員に転換しろ!」って申入れすることで正社員になれる制度が…
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あ~…「有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換の申し込み」の制度のことね…
そーですそーです…その「転換申し込み」って具体的にどうやればいいんですか…?
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「有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換申し込み」の制度の概要

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「有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換の申し込み」をする場合の具体的な手順?…それはだね…う~んと…あのさ…その前に、そもそもその「有期労働契約の無期労働契約への転換」の制度の具体的な内容っていうのは正確に理解してる?
正確な内容?…う~ん…なんかニュースでやってたのを見ただけなんですけど…とにかく会社に「申し込み」をすればアルバイトとかパートとか契約社員とかでも「正社員」になれる制度のことですよね…?
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ん~…まぁ…それも間違いじゃないんだけど…この「有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換の申し込み」の制度については誤解してる人…じゃなかった猫も多いから、具体的な手順を教える前に、この制度の概要について簡単に説明しておくことにしようか…

(1)転換申し込みをした場合は「期間の定めのない労働契約」になるだけであって「正社員」になれるわけではない

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まず理解しておいてもらいたい点はだね…「転換申し込み」をした場合であっても、必ずしも「正社員」になれるってわけじゃなくって、会社との雇用契約(労働契約)が「期間の定めのある労働契約」から「期間の定めのない労働契約」に変更されるだけっていう点なんだけど…
え?…「転換申し込み」をしても「正社員」になれるわけじゃないの?…でも「転換申し込み」をすることで「非正規労働者」から「正規労働者」になれるわけでしょ?
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そうだね…まぁ、契約期間が「〇年〇月から〇年〇月まで」っていうように一定の期間に定められて「契約の更新が必要」な「期間の定めのある労働契約」の場合は、アルバイトとかパートとか契約社員とかいった「臨時的な労働力」として雇われてるわけだから「非正規労働者」ってことが言えて…
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…その反対に、契約期間が「いつからいつまで」っていうように定められていなくて「契約の更新が必要ない」状態で働く「期間の定めのない労働契約」の場合は、正社員のように懲戒解雇や整理解雇の対象にならない限り定年まで勤めあげる「終身雇用」として雇われるわけで「正規労働者」ってことになるから…
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「期間の定めのある労働契約」から「期間の定めのない労働契約」に「転換」する場合は、”事実上”、雇用形態が「アルバイトとかパートとか契約社員」から「正社員」に「転換」されるってことになるわけだけど…
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…でもね、この「転換の制度」で「転換」されるのは労働条件のうち「契約期間」の部分だけであって、「契約の更新がある」契約から「契約の更新がない」労働契約に「転換」されるだけに過ぎないんだ……だから、この「転換の申し込み」をしたとしても「アルバイト」や「パート」や「契約社員」で働いていた状態の時給や労働時間なんかの労働条件自体は従前のものがそのまま引き継がれることになるんだよ。
え?…どーゆーこと?…転換の申し込みを行えば「アルバイト」でも「正社員」と同じようなお給料とか有給休暇をもらえるんじゃないの?
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いや、それは違うよ…そもそもこの「期間の定めのない労働契約への転換申し込み」の制度は労働契約法の18条に規定されてるんだけど…

労働契約法第18条1項

同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(中略)の契約期間を通算した期間(中略)が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする

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この条文の「後段(※「この場合のおいて」の前の部分)」を見て分かるように、転換の申し込みをした「後」の労働契約は「有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く)」と「同一の労働条件…とする」って書かれてるわけだから、「契約期間」以外の「有期労働契約で結んだ従前の労働条件」は「従前のまま同一」ってことになるんだ…だから、契約自体が「期間の定めのある労働契約」から「期間の定めのない労働契約」に変更されるだけなんだよね…
う~ん…ってことは、時給とか勤務時間とか有給休暇の日数とかはそれまでと一緒ってこと…?
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そうだね…それが基本的な取り扱いとなるだろうね…もちろん、この条文の後段には「別段の定めがある部分を除く」って規定されてるから、会社側が「無期労働契約への転換の申し込み」があった場合に「正社員」と同じ労働条件で雇用する取り扱いにすること自体は自由だけど、そういう取り扱いにしてる会社でない限り、「契約期間」以外の労働条件については従前の労働条件が引き継がれるだけなんだよね。
なるほど~…でも「アルバイト」とか「パート」とか「契約社員」にとって何が一番怖いかっていったら「契約期間が満了したから明日から来なくていいよ」って「雇い止め」されることだと思うんですけど…この「転換の申し込み」をすることで「正社員」と同じように一応「終身雇用」ってことで定年が来るまでは「雇い止め」される心配はなくなるってことですよね?
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そうだね…その点を考えるとこの「転換申し込み」によって「アルバイトとかパートとか契約社員」といった「いつ雇い止めされるかわからない状態」からは解放されて「定年まで雇い止めされることのない終身雇用」が一応保障されることになるから……その点だけを強調した場合はこの「有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換の申し込み」の制度によって「正社員」と同じになるってことが言えるだろうね…
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