会社都合の休業で6割の賃金しか支給されない場合の対処法

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あ~あ~…勝手に休みにされても困るんだよね~…こっちだってローンとかいろいろ抱えてるんだからさ~…
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え?…なにをぶつくさ愚痴ってるのかって?…う~ん…それがね…私が勤めてる会社の関連会社で不祥事が発生したみたいで、関連会社も含めた全部の会社で内部調査を行うことになったんですよ…で、内部調査が終わるまでは通常業務ができないから、私が勤務してる会社も来月までの1か月間、休業することが決まっちゃったみたいなんです…
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まぁ…休業するのはいいんですよ…だって私たち平社員からすれば単に「1か月間の連休」を与えられたのと同じですからね…ただね、問題はお給料が40%もカットされることなんです…「休業期間中は働かなくていいんだから休業期間中の賃金は通常賃金の60%しか支給しないぞ!」って上司の猫に言われちゃって…
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…でもね…そんなこと言われたって困るじゃないですか…だって、猫タワーのローンだってまだ残ってるし、猫じゃらしだって古くなってきたからそろそろ交換しなきゃだし、原油価格の高騰でキャットフードだって値上がりが続いてるんだから…4割もお給料カットされちゃったら来月の生活が大変なことになっちゃうんだもん…
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あ~あ~…会社の都合で勝手に休業するクセにお給料40%カットなんて…なんか納得できないな~…
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【会社都合による休業では賃金はいくら払ってもらえるか?】

使用者(雇い主)の都合によって一時的な休業が発生した場合、その休業期間中は仕事自体ができなくなりますから、そこで働く労働者には「休み」が与えられるのが通常です。

このような「会社都合の休業」が発生した場合、その休業期間中の賃金については、通常支払われるべき賃金の全額分を会社に対して請求できるものなのでしょうか?

会社によっては、休業期間中の「賃金」を「休業手当」と称して通常支払う賃金の6割程度の金額しか支払わないケースがあるため問題となります。

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プロローグ

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あれ?…なんだ、さっきからぶつくさ文句言ってるのが聞こえてくると思ったら『まにゃったん』じゃない?…久しぶりだね~…何?なんかあったの?
あっ!…トルティーヤ先生っ!…ちょーど良かった…あのね、実は勤務先の会社が1か月ほど休業することになっちゃってて…
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え?休業?…なんか不祥事でも発生したの?
ええ、そーなんですよ…ちょっと前から「休業するんじゃないか?」っていう噂は会社内でも流れてたんですけどね…ほら…こないだニュースになってたじゃないですか「猫じゃらし工場で30年以上無資格検査が横行してた」って…実はその工場の親会社がうちの会社だったみたいで、関連会社も含めて全ての工場の操業をストップして実態調査を行うことになったみたいなんです…
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…で、なんでか知らないんですけど、ついでに親会社のうちの会社まで調査を実施しようってなったみたいで…私たちみたいな平社員の猫は調査が終わるまで休業ってことになったんですよ…
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へぇ~…あの事件の工場って『まにゃったん』が勤めてる会社の関連会社だったんだ…でもいいじゃん、会社が「休業」ってことは仕事が休みになったんでしょ?…平社員がいろいろ気をもんでも仕方ないから、気分転換に旅行でもしてくればいいんじゃない?
そんなのんきなこと言ってられませんよっ!…だって、休業期間のお給料が40%も減額されちゃったんですよ!…上司からは「休業期間中の給料は通常支払い分の60%しか支払わないことに決まったからそのつもりで…」って言われてるし…来月のお給料はいつもより4割も少なくなっちゃうんだから旅行なんて行けっこないですもんっ!!
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え?…会社は休業期間中の賃金を「60%」しか支払わないって言ってるの?
そーなんですよ…会社の都合で勝手に休業するクセに、通常のお給料の6割しか支払ってくれないみたいなんです…ひどいと思いません?
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う~ん…それはもしかしたら法律的には問題があるかもしれないから、一応チェックすべきところはチェックしておいた方がいいかもしれないね…
え?法律的な問題があるかもしれないってどーゆーこと?…それに、何をチェックしておいた方がいいってゆーこと?
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使用者の都合による休業」の場合は「賃金の100%」の支払いを請求できるのが原則

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それは、段階を踏んで説明する必要があるんだけど…そもそも「使用者(雇い主)の都合で「休業」になった場合には、その休業して労働者を休ませることになる使用者(雇い主)は、その労働者の賃金の全額…つまり休業期間中も賃金の100%を支払わなければならないのが原則になってるんだよね。
え?…「使用者の都合による休業」って「会社都合の休業」のことでしょ?…「会社都合による休業」の場合は会社に対して「休業期間中のお給料を全額支払え!」って請求できるってことですか?
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え~?…うそだっ!…だって「会社都合による休業」の場合でも「休業」は「休業」なんだから会社に出勤して働かなくてもいいってことになるんですよ?…休業期間中は自宅で遊んどいても構わないのに、どうして会社から休業期間中の給料を全額支払ってもらうことができるんですか?…
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それは、民法っていう法律にそう書いてあるからだよ…民法の536条2項の前段には「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない」っていうように規定されてるんだけど…

民法536条2項

債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。(後段省略)。

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この民法536条2項の規定は「契約」に関する条文で、「労働者が使用者(雇い主)に雇われる」っていう雇用契約も「契約」の一つだから当然、『まにゃったん』と会社との間の雇用契約でもこの民法536条2項の規定がそのまま適用されることになるんだ。
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…で、雇用契約は「労働者が使用者(雇い主)に雇われて働くことによって賃金をもらう」っていうことが内容になってる契約になるから、「使用者(雇い主)」は労働者に対して「労務(仕事)を提供する」っていう”債務”と「労働の対価として賃金を支払う」っていう”債務”を負っていることになって、その反対に「労働者」は会社に対して「提供を受けた労務(仕事)をする」っていう”債務”を負担している代わりに「賃金を払ってもらう」っていう”反対給付”を持っていることになるんだよね。
う~ん…なんか小難しいんですけど…それで?
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で、この雇用契約の内容を踏まえたうえで「会社都合による休業」についての「賃金の支払い」をさっきの民法536条2項の規定に当てはめて言い換えたら…

会社都合による休業(債権者の責めに帰すべき事由)によって会社で働くことができなくなったとき(債務を履行することができなくなったとき)は、労働者(債務者)は、休業期間中の賃金(反対給付)を受ける権利を失わない。

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…っていうような文章になるでしょ?
う~ん…まあそうですね…「会社(使用者)の都合で休業する」ってことは「会社側の責めに帰すべき事由で休業する」ってことになりますし、「労働者が反対給付を受ける権利を失わない」ってことは「労働者が賃金の請求権を失わない」ってことになるから、「会社都合による休業」の場合の賃金の支払いの問題を民法536条2項の規定で解釈したら、そういう文章になりますね。
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…だよね…そうすると、仮に「会社都合による休業」が発生して仕事が「休み」になったとしても、労働者としては「反対給付である賃金の支払い請求権を失わない」わけだから、「休業期間中」の賃金についても通常どおり、「その全額」を会社に払ってもらえるっていうことになるでしょ?
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だから、『まにゃったん』のように会社の都合で休業になった場合でも、会社に対して「休業期間中の賃金を100%支払え!」って請求できるっていうのが原則的な考え方になるんだ。
あ~…なるほど…だからうちの会社みたいに「休業期間中の賃金は60%しか支払わないぞ!」って言ってる状況が法律的な原則からしてみれば「間違ってる」っていうことになるのか…
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そうなんだ。そういうことなんだよね。

ただし「就業規則」や「個別の労働契約」等で「休業期間中の賃金は平均賃金の60%しか支給しない」と定められている場合は「平均賃金の60%」しか会社に請求できない

あの~…でも「原則的な考え方ではそうなる」っていうことは「例外」があるってことなんですよね?…会社側に何かの例外的な条件が整っている場合は「賃金の60%だけ」しかお給料を支払ってもらえない場合があるってことなんですか?
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よく気が付いたね…実はそうなんだ…さっき説明した民法536条2項の規定は「契約」に関する一般原則を規定した条文になるんだけど、「契約」には「契約自由の原則」っていう考え方があって、契約の内容はある程度当事者間で自由に決めることができるってされているんだ…ちなみにその根拠条文は民法91条になるんだけどね…

民法91条

法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したときは、その意思に従う。

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だから、使用者(雇い主)と労働者の間で、さっき説明した民法536条2項の規定とは異なる合意をすることも「契約自由の原則」に基づいて考えれば認められるって考えられてるんだ。
う~ん…つまりどーゆーこと?
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つまり、民法536条2項の解釈としては「会社の都合で休業する場合でも会社は賃金の100%を支払わなければならない」っていうのが原則的な取り扱いになるわけなんだけど、「契約自由の原則」も踏まえて考えた場合は、会社と労働者との間でそれとは違う合意をすることも認められるってことなんだ。
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具体的にいうと、「就業規則」とか「個別の労働契約」なんかで「会社の都合で休業する場合は平均賃金の60%に相当する金額しか支払わない」っていうことが明確に定められている場合は、「会社の都合で休業する場合でも会社は平均賃金の60%だけ支払えばよい」っていうことで会社と労働者が相互に合意してることになるから、「会社都合の休業」の場合でも「平均賃金の60%」しか支払いを受けることができないってことになるんだよ(※注1)。

※注1:「就業規則」や「個別の労働契約」以外にも労働組合と会社の間で結ばれる「労働協約」に「平均賃金の60%に相当する金額しか払わない」と定められている場合も同じように「会社都合の休業」の場合に会社に対して「平均賃金の60%」しか請求することができなくなります。

う~ん…ってことは、私の場合も会社の「就業規則」とか入社するときに受け取った「雇用契約書(労働契約書)」とかを確認して、もし「会社の都合で休業する場合は平均賃金の60%しか支払わない」っていうような規定が定められてた場合は、「会社都合の休業」の場合でも「過去にもらったお給料で計算した平均賃金の60%」しか支払ってもらえないってことになる…ってゆーこと?
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そうなんだ…そういう例外的な場合もあるから、『まにゃったん』の場合も「就業規則」とか「雇用契約書」とかをチェックした方がいいんじゃないかなって思うんだよね…
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だって、『まにゃったん』の会社は「休業期間中の賃金は60%しか支払わない」って言ってるみたいだけど、もし会社の「就業規則」とか「雇用契約書」とかを確認して「会社の都合で休業する場合は平均賃金の60%しか支払わない」っていうような規定が書かれてなかったとしたら、民法536条2項の原則どおり「休業期間中の賃金の100%」の金額を会社に請求できるってことになるでしょ?
あ、そっか…確かに「就業規則」とか「雇用契約書」とかで「会社の都合で休業する場合は平均賃金の60%しか支払わない」っていう合意をしてないのに、会社が勝手に「60%しか支払わないぞ!」って言ってるってこともあり得ますもんね…
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だからさっきトルティーヤ先生「一応チェックすべきところはチェックしておいた方がいいかもしれないよ」って言ってたんだ…
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「使用者の都合による休業」で「労働基準法26条」の規定を根拠に「60%しか支払わない」のは認められない

あの~…ちょっと気になることがあるんですけど…
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なに?…この際だからなんでも聞いておきなよ…
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