雇用契約書・労働条件通知書を交付してもらえないときの対処法

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う~ん…なんかあやしーなー…だいじょーぶかなー…やっぱやめたほーがいいかな~…?
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え?…何をそんなに悩んでるのかって?…ん~…それがね、今日アルバイトの面接に行ってきたんですけどね…え?…いや、パン屋さんじゃなくて「蝋人形カフェ」ですよ…蝋人形のコスプレを着て、お客さんに「蝋人形にしてやろうかっ!」って言いながら接客する最近はやりの…
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でね…そのバイトの面接に受かったのはいいんですけど、雇用契約書にサインするようにって言われてサインしたのに、会社の人がその契約書の控えを渡してくれなくって…
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「雇用契約書の控えもらえますか?」って頼んでも「うちでは控えなんて渡してないから…」とか「契約書の内容は今自分で確認したでしょ?だったら控えなんて必要ないんじゃないの?」とか言って全然相手にしてもらえなくって…
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だから、ほんとにこの会社でバイト始めても大丈夫なのかなって不安になってきちゃったんです…このまま働き始めてもだいじょーぶなのかな~…?
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【雇用契約書や労働条件通知書を交付しない会社】

アルバイトやパート、正社員、契約社員、派遣社員の区別なく、雇用主の募集に応募して採用が決定した場合には、雇い主側から「雇用契約書(労働契約書)」や「労働条件通知書」など具体的な労働条件が記載された書面が交付されるのが通常ですが、稀にこのような書面の交付を一切行わない会社があるようです。

では、そのように労働条件の記載された書面を交付しなかったり交付することを渋るような会社から採用を受けた場合、具体的にどのように対処すべきなのでしょうか?

何らかの法的な手段をとれば会社から「雇用契約書(労働契約書)」なり「労働条件通知書」を交付してもらうことができるのでしょうか?

それとも、そのような会社に就職することは止めて他の会社を探すべきなのでしょうか?

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プロローグ

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あ~…スロージューサー欲しいな~…ビックカメラ行って買って来っかな~…
あっ!トルティーヤ先生だ!…トルティーヤせんせーっ…!!
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ん?誰だ…?
私ですよっ!『みにゃみ』ですっ!!
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『みにゃみ』?…あ~…前にパン屋さんでバイトしてて労働トラブルに巻き込まれて相談に来てた…?
そーですそーです…その『みにゃみ』ですっ…あっそうだっ!…ちょうどよかった…バイトのことでちょっと聞きたいことがあるんですけど…
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バイト?…またパン屋さんでトラブルに巻き込まれてんの?
いえ…あのパン屋さんはとっくの昔に辞めてます…あの、来週から「蝋人形カフェ」でアルバイトすることになったんですけど…
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「蝋人形カフェ」…?
ええ…蝋人形のコスプレして「蝋人形にしてやろうかっ!」って叫びながらコーヒーとかオムライスとかを運ぶアルバイトなんですけどね…
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なにそれ…ネコ界隈ってすげーカフェが流行ってんだね…
でね、その「蝋人形カフェ」のバイトに合格したんですけど、会社が雇用契約書の控えを渡してくれなくって…
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雇用契約書を渡してくれない…?
はい…こーゆー場合ってどーしたらいーんでしょーか…?
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「雇用契約書(労働契約書)」や「労働条件通知書」を交付しない雇い主は辞めた方がよい

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どーしたらいいか?…そんなの決まってるじゃん…そんな会社で働くのはやめといたほうがいいよ…
え?…ってことはせっかく面接受かったのに辞退する方がいいってことですか?
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まぁ、そうなるね…だって考えてみなよ…雇用主から雇い入れられたときに交付される「雇用契約書(労働契約書)」とか「労働条件通知書」っていうのは、労働者がその雇い主から「どういった労働条件で雇われることになったのか」っていうことが具体的に記載された書面ってことになるでしょ?…ってことは雇い主から交付される「雇用契約書(労働契約書)」とか「労働条件通知書」っていうのは、将来雇い主との間で労働条件の内容についてトラブルになった際に「重要な証拠」として扱われることになるよね…?
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なのにその「雇用契約書(労働契約書)」とか「労働条件通知書」が交付されないっていうことは、将来もし雇い主との間でなんらかのトラブルが発生した時に自分の主張を証明してくれる証拠がない状態で雇い主と戦わなくちゃならなくなっちゃうじゃん…
う~ん…それはまぁ、そーですね…
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だよね?…ってことは、なぜ雇い主側が「雇用契約書(労働契約書)」とか「労働条件通知書」を交付しないかって考えたら、いざ従業員との間で労働条件に関して争いになった場合に、雇い主側に有利にトラブルの解消を図ることができるように、あえてそういった書面を交付しないことにしてるってことが推認できるでしょ?
むむむ…そー言われるとそーですね…
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そうすると「雇用契約書(労働契約書)」とか「労働条件通知書」を交付しない会社っていうのは、そういった書面を労働者に交付すること自体が会社にとって不利益になると考えてる可能性が高いから、そんな会社で働いたとしても、将来的に雇用契約(労働契約)を結ぶ際に合意した労働条件よりも低い労働条件で働かされたりとかいろんな労働トラブルに巻き込まれる蓋然性が高いってことが言えるでしょ?…だから、そんな会社で働いたってロクなことがないのは明らかなんだから、そんな会社でバイトなんかするのはやめた方がいいんじゃないかなって思うんだよ…
なるほど~…なんか怪しいなって思ってたけど…やっぱそーか~…
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会社に「雇用契約書(労働契約書)」もしくは「労働条件通知書」を交付してもらうためには?

あの~…でもトルティーヤ先生、どうしてもその会社で働きたいって思った場合はどうしたらいいんですか?…会社の方から契約書を交付してもらうのに何かいい方法ってのは何もないんですか?
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会社から雇用契約書を交付してもらう方法?…ん~…まぁないこともないけど…

(1)労働基準監督署に違法行為の是正申告を行う

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一番手っ取り早いのは、労働基準監督署に違法行為の是正申告を行う方法を使ってみることかな…
ろーどーきじゅんかんとくしょ?…いほーこーいのぜせーしんこく?…なにそれ?
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労働基準監督署に対する「違法行為の是正申告」っていうのは、労働基準法っていう法律で定められている会社の労働基準法違反を監督官庁である労働基準監督署に申告する手続きのことを言うんだ。労働基準法の104条にその規定が定められてるんだけどね…
【労働基準法第104条第1項】
事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。
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会社が「雇用契約書(労働契約書)」とか「労働条件通知書」を労働者に交付しないっていうのも労働基準法に違反することになるから、もし『みにゃみ』ちゃんがその「蝋人形カフェ」に採用されたのに雇用契約書の控えを交付してくれないっていう状況に陥ってるっていうんなら、その「蝋人形カフェ」を運営してる会社は労働基準法違反ってことになるんだ…だから『みにゃみ』ちゃんは労働基準監督署に対して「会社が雇用契約書の控えを交付してくれないんです!行政指導をしてくださいっ!」って「違法行為の是正申告」を行うことができるっていうことになるんだよ…
ん?…会社が雇用契約書の控えを交付しないことって労働基準法違反になるんですか?
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そうだよ…労働基準法の15条1項では使用者(雇い主)が労働者を雇い入れて雇用契約(労働契約)を結ぶ際は賃金とか休日とかその他の労働条件を雇い入れる労働者に対して「明示」しなければならないって定められてるんだけど…
【労働基準法15条1項】
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
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その具体的な「明示」方法については労働基準法の施行規則5条3項に定められてあって「書面の交付」によって行うことが義務付けられてるんだ…
【労働基準法施行規則5条3項】
法第十五条第一項後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする。
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だから、『みにゃみ』ちゃんが面接を受けた「蝋人形カフェ」の運営会社が『みにゃみ』ちゃんを雇うって決めた場合はその運営会社は『みにゃみ』ちゃんに対して「労働条件」が記載された「書面」を交付しなければ労働基準法違反ってことになるんだよ…
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もちろん施行規則には「書面の交付」ってしか書かれてないから「雇用契約書(労働契約書)」を交付しない場合でも「労働条件」が記載された「労働条件通知書」とかそれに類似する書面を『みにゃみ』ちゃんに交付してる場合は問題ないわけだけど、そういった書面の交付もないわけでしょ?…ってことはその会社は労働基準法の15条1項に違反してるってことになるから、『みにゃみ』ちゃんは労働基準監督署に対して「違法行為の是正申告」を行うことができるってことになるんだ。
なるほど~…そーゆーことか~…で、その違法行為の是正申告をしたらどうなるんですか?
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労働基準監督署に違法行為の是正申告を行って監督署が「労働基準法に違反してる可能性がある」って判断した場合は、監督署の監督官が会社の方に臨検に入ったり調査を行ったりするんだけど、その臨検とか調査で実際に「労働基準法に違反する事実があった」ってことが認定された場合は労働基準監督署から会社に対して「是正勧告」なんかが出されることになるんだ…このケースだったら「雇い入れた労働者に雇用契約書なり労働条件通知書なりをきちんと交付しなさい!」っていうようにね…
なるほどっ!…そうやって監督署から指導をやってもらえれば会社がおとなしく契約書とか労働条件通知書を交付してくれることになるってわけですね?
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そうだね…そういうことになるね…まあ、労働基準監督署に「違法行為の是正申告」を行う場合の具体的な手順なんかは最寄りの監督署に行けば親切に教えてくれるはずだから、興味があれば監督署に出向いて相談してみるといいよ。監督署に相談するのも実際に「違法行為の是正申告」をするのもすべて無料で経済的な面を心配する必要は全然ないから相談に行っても損はないと思うよ。

(2)労働局に紛争解決援助の申立てを行う

労働基準監督署以外の手続きは何かないんですか?
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監督署の手続きを使わないってことになると…そうだね、労働局の紛争解決援助の申立ての手続きを使ってみるのもいいんじゃないかな…
ろーどーきょくのふんそーかいけつえんじょの……なにそれ?
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労働局の「紛争解決援助の申立」の手続きっていうのはだね…各都道府県に厚生労働省の出先機関にあたる労働局っていう組織が設置されていて、その労働局では「労働者(従業員)」と「事業主(会社)」の間で何らかの”紛争”が発生した場合にその”紛争”を解決するための手続きが設けられているんだ……その手続きが「紛争解決援助の申立」って呼ばれてるんだけどね…
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労働局に紛争解決援助の申立てを行うと、労働局からその「紛争」を解決するために必要な「助言」とか「指導」を出してもらうことができるんだ。…で、今回の『みにゃみ』ちゃんのような「会社が労働条件の明示された書面を交付してくれない」っていうようなトラブルも、労働者と事業主の間に生じた「紛争」っていうことが言えるから、その紛争当事者の一方である『みにゃみ』ちゃんは労働局に対して「会社が労働条件の明示された書面を交付してくれなくて困ってるんですっ!」っていう「紛争解決援助の申立て」をすることによって労働局から「助言」とか「指導」を出してもらうことができるんだ。
なるほど~…で、その「助言」とか「指導」を労働局に出してもらったらどうなるんですか?…会社が雇用契約書とか労働条件通知書とかをすぐに交付してくれるようになるの?
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そうだね…まあ、労働局の「助言」とか「指導」には裁判の「判決」のように強制力がないから労働局の「助言」とか「指導」を無視する会社もあるにはあるんだけど、労働局から出される「助言」や「指導」も行政指導の一種にあたるから、労働局から「労働条件を明記した書面を交付しなさいっ!」っていうような「指導」なんかが出されれば、ほとんどの会社は労働局の指導に従って雇用契約書なり労働条件通知書なりを交付するのが通常なんだよね。
ふぅ~ん…そーなんだ~…
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それに、この労働局の「紛争解決援助の申立て」の手続きには「あっせん」の手続きも用意されてるから、労働局にその「あっせんの申請」をすることで「労働条件の明示された書面を交付してもらえない」っていう問題が解決されることもあるんだよ。
あっせん?…なにそれ…?
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「あっせん」っていうのは裁判所で行われる「調停」のような手続のことなんだけど…具体的には3人以上のあっせん委員で構成される委員会が紛争の当事者(つまり今回の件だと労働条件の明示された書面を交付しない『会社』とその書面を交付してもらえない『みにゃみ』ちゃんのことね…)とか参考人(今回の件だと例えば『みにゃみ』ちゃんと同じように労働条件の明示された書面を交付してもらえなかった他の従業員とか…)から意見を聴取したり意見書の提出を求めたりするんだけどね…(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第23条1項)
【個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第23条1項】
あっせん委員は、紛争当事者から意見を聴取するほか、必要に応じ、参考人から意見を聴取し、又はこれらの者から意見書の提出を求め、事件の解決に必要なあっせん案を作成し、これを紛争当事者に提示することができる。
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…で、このあっせん委員会が聴取内容や意見書の内容を精査して紛争の解決に必要な「あっせん案」を作成してトラブルの解決を図るんだけど、労働局のあっせん委員会から会社に対して「労働条件の明示された書面を交付しなさい!」っていう感じの「あっせん案」を提示してもらうことで会社がその「あっせん案」を受け入れれば会社が雇用契約書なり労働条件通知書なりを交付してくれることになるから、この「あっせん」の手続きを利用することで雇用契約書とか労働条件通知書を交付してもらえないっていうトラブルを解消することも期待できるんだよ。
なるほど~…そーゆー手続きがあったんだ~…
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だからまぁ…そういった労働局の手続きを利用して会社に雇用契約書とか労働条件通知書を交付してもらうように働きかけるっていうのも有効な解決方法になるんじゃないかな…ちなみにこの労働局の紛争解決援助の手続きは無料で利用することができるし最寄りの労働局に行けば具体的な申し立て方法とかも詳しく教えてくれるはずだから、興味があったら労働局に行って聞いてみるといいよ…

エピローグ

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まぁ…会社が雇用契約書とか労働条件通知書とか労働条件が記載されてる書面を交付してくれない場合の法律的な考え方と具体的な対処法はこんな感じになるけど…どう?ある程度理解できた…?
そーですね…とにかく雇い主が誰かを雇い入れるときは労働条件が明示されてる雇用契約書とか労働条件通知書とかを必ず交付しなきゃいけないことが法律で義務付けられてるから、労働基準監督署に「違法行為の是正申告」をしたり労働局に「紛争解決援助の申立て」をしたりすれば会社から書面を交付してもらえることはできるよってことですよね…ただ、そういう雇用契約書とか労働条件通知書を交付しないような会社に勤めても後で労働トラブルに巻き込まれる可能性が高いから、そんな会社で働くのはやめて別の会社を探したほうがいいっていう…
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そうだね…ざっくり言うとそんな感じだね…で、『みにゃみ』ちゃんはどうするか決まった?…他のバイト先を探してみるの?…それとも監督署とか労働局の手続きを使って契約書の交付をしてもらうように働きかけてみるの?
う~ん…どーしようかな~…他のバイト先を探したほうがいいような気もするけど、あの「蝋人形カフェ」でバイトしてみたいって気もするし…う~ん…う~ん……みにゃみ、選べない♡…
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まぁ、後は自分がどうしたいかってことだから、よく考えて決めるしかないね…ま、もしまたどうしたらいいか分かんなくなったらここに来てくれればいつでも相談に乗ってあげるし……ってウキキィ?
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やべっ!もうこんな時間かよっ!…俺今日、アルパカ牧場にコガネムシの素揚げ食べ行くことになってるんだよね…え?…いや北海道のアルパカ牧場だよ…とにかくそういうことだからさ、俺そろそろ帰るわ…じゃ、ネコさんまたねっ!ウキキッキィーっ!!
アルパカ牧場でコガネムシの素揚げってもしかして……トルティーヤせんせーっ!!
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