仮眠や待機、手待ち時間は労働時間として賃金を請求できる?

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みなさんこんにちは『あすにゃ』です。実は私、今日もトルティーヤ先生のところに相談に来てるんです。前回は「準備とか後片付けとかラジオ体操とか着替えの時間は労働時間として賃金の請求ができるのか」っていう問題についていろいろ教えてもらったんですが…え?…前回の話なら右側の「カテゴリー」の中の「給料」とか「労働時間」をクリックすれば出てきますよ……で、今日は何しに来たかって言うと「仮眠とか待機とか手待ち時間は労働時間になるのか」っていう点を教えてもらおうと思って来たんです…は?…いや…実はですね…私がバイトしてる猫カフェが、先月から24時間営業になったんですけど、店長さんから「深夜勤務に出勤するのは問題ない?」って聞かれたから「別に問題ないですよ」って答えたんですよ…で、先月から週に2日ほど深夜勤務のシフトに入ることになったんです…まあ、それは別にいいんですよ、だって深夜勤務の方が時給高くなるから…でもね、納得できないのは、その深夜勤務では仮眠時間が3時間与えられてるんですけど、その仮眠時間は時給が付かないようになってるんです…え?仮眠時間は寝てるんだからバイト代が付かないのは当たり前じゃないかって?…いや、でもね、仮眠時間って言ったって、深夜勤務に入ってる他の猫が体調不良とか起こしたときは仮眠中でもすぐにシフトを代われるように仮眠室でずっと待機しとかなきゃならないんですよ…外のコンビニに買い物に行くこともできないし自宅に帰って寝るってこともできないし…それにお客さんが込みだしたときはヘルプですぐに入らないといけなくて日によっては仮眠なんかできないことだってあるんだから、仮眠時間にバイト代が1円もつかないのって納得できないんですよね…だから今日、こうしてトルティーヤ先生のところに相談に来たんです…え?…文章長すぎて読み難い…?
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ごめんなさい…私、いつも最初の導入部分は一つの文章でまとめることにしてて…おかしいな…ブログだと結構評判良いんですけどね…
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【仮眠や待機、手待ち時間は労働時間に含まれるか?】
警備や医療介護の仕事など深夜勤務や8時間を超えた連続勤務が必要になる職種では、勤務時間の中に一定の「仮眠時間」が設けられる場合があります。
また、工場などの仕事では材料や資材などの関係で作業に従事しない「待機時間」が発生することがありますし、ショップの店員などではお客が来ない時間帯などに「手待ち時間」が発生することもあるでしょう。
このような「仮眠時間」や「待機時間」「手待ち時間」については実際に就労しているわけではないため、会社によってはその「仮眠」「待機」「手待ち」の時間について賃金を支払わないと取り決めているところもあるようです。
しかし、「仮眠時間」や「待機時間」「手待ち時間」に実際に就労している事実がないとしても、会社の命令によって「仮眠」や「待機」「手待ち」が義務付けられているわけですから、その時間の賃金が全く支払われないというのは納得できない面もあります。
では、「仮眠時間」や「待機時間」「手待ち時間」について賃金が支払われないというのは法律的に問題はないのでしょうか?
それとも「仮眠時間」や「待機時間」「手待ち時間」であっても会社に賃金支払い義務が発生し、会社に対して「仮眠・待機・手待ち時間の賃金を支払え」と請求することができるのでしょうか?

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あ~…チンパンジーってなんでゴリラみたいな筋肉ねーのかな…やっぱ筋トレでも始めよっかな~…
あの…すみませんトルティーヤ先生…ちょっと相談したいことがあってきたんですけど…
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ん?…なんだ、この前来たねこか…また何かあったの?…
そーなんですよ…あの、実はバイト先の猫カフェが24時間営業することになっちゃって、私も週に2日ほど夜勤のシフトが入るようになったんです…で、それは別にいいんですけど、夜勤の時は深夜に3時間与えられてる仮眠時間には時給が1円も付かないんですよ…これっておかしくないですか?…
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仮眠時間にバイト代が付かないって?…そりゃ~仮眠時間で寝てるわけだから時給付かないのもしかたない…
いや…でも、その仮眠時間にもシフトで入ってる猫の調子が悪くなったらすぐにヘルプで入らなきゃいけないし、仮眠時間中はずっと仮眠室にいる決まりになっててコンビニに買い物に行くこともできないんですよ?…なのに1円も時給が付かないっておかしいと思うんですけど…
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えっ?仮眠時間なのにヘルプで入ることもあるの?…それに外出も禁止されてる?…そういう話だったら確かに『あすにゃ』ちゃんが言うようにバイト代が付かないのはおかしいよね。

「労働から完全に開放されていない」ならたとえ仮眠時間であっても労働時間になる

でしょ?…おかしいと思ってたんですよね…
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仮眠時間はその名のとおり「仮眠」するために設けられた時間だから通常はその「仮眠時間中」の時間については会社に賃金の支払い義務は発生しないんだけどね…
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…でも、その「仮眠時間」として与えられた時間中に「他の労働者の代わりにいつでも就労に入ること」が義務付けられていたり、「仮眠室から外出すること」が禁止されているような状況がある場合には「労働から完全に開放されている」とは言えないから、『あすにゃ』ちゃんのケースのような場合であれば会社は仮眠時間中の賃金を全額支払わなければならないって考えられるんだよね。
労働から完全に開放されているとは言えない?…じゃぁ、労働から完全に開放されているって言えるような場合だったら仮眠時間のバイト代が支払われないのも仕方ないってことになるんですか?
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そういうことになるね。過去の判例(三菱重工業長崎造船所事件:最高裁H12.3.9)では「使用者の指揮命令下に置かれている時間」はたとえその時間に実際に働いていなくても「労働時間」として会社に賃金の支払い義務が発生するって判断されているんだけど…
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その「使用者の指揮命令下に置かれている」か否かは具体的なケースに応じて判断されるから、もしその「仮眠時間」が「労働から完全に開放され」ていて「会社の指揮命令に置かれていない」ような判断ができる場合には、その仮眠時間中の賃金が支払われないことも正当と判断される可能性はあるといえるよね。

「労働から完全に開放されていない」とは具体的にどのような場合か?

じゃ、具体的にどーいったケースだったら「労働から完全に開放されていない」って判断されることになるんですか?
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仮眠時間に「労働から完全に開放されているか」という点は個別のケースで判断していくしかないのが実情なんだよね…ただ、過去にオフィスビルの管理業務に従事する労働者が仮眠中の賃金の支払いを求めて会社を訴えた事案で最高裁の判決(大星ビル管理事件:最高裁H14.2.28)が出されてるんだけど…
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この最高裁の判例では、ビルの管理業務に従事する労働者が「仮眠時間中に警報が鳴った際はビル内の監視室に移動して警報の種類を確認し警報の原因が存在する場所に赴いて警報の原因を除去する作業を行う」ことであったり「警備員が水漏れや蛍光灯の不点灯の発見を連絡したり、工事業者が打ち合せをするために仮眠室に電話をしてきたような場合も現場に行って補修をする等の対応をする」ことが会社から義務付けられていることを認定して会社側の反論を退けているみたいだから、こういった仮眠時間中でも突発的な事故とか電話・メール等の問い合わせや連絡に対応することが義務付けられているようであれば、「労働から完全に開放されている」とはいえないから仮眠時間中であっても「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と判断されて賃金の請求ができることになると考えられるんじゃないかな?
仮眠時間中でも突発的な事故なんかの場合に対応を義務付けられてたり、電話とかメルの問い合わせなんかに対処することが義務付けられている場合か…あ、だから私の場合みたいに「他の猫が体調不良を起こしたときにヘルプに入る」ってゆーのも「労働から完全に開放されていない」って判断されて会社の「指揮命令下」に置かれてるってことになるのか…
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そうだね。それから…この最高裁の判例では他にも「配属先のビルからの外出」が原則として禁止されていたり「仮眠室における在室」が義務付けられていたり、それから「仮眠時間中の飲酒」が禁止されていたことなんかも「労働から完全に開放されていない」ことの根拠として認定されているみたいだから、そういった事実があるケースなんかでも「労働から完全に開放されていない」と判断されて仮眠時間中の賃金の請求ができる場合があるといえるだろうね。
なるほど~…だから私の猫カフェみたいに仮眠室からコンビニとかに外出することが禁止されてる場合も「労働から完全に開放されていない」って判断できるんだ…でも「仮眠時間中の飲酒」が禁止されてるってことが「労働から完全に開放されていない」ってことの根拠になるってのも面白いですね…
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そうだね。まあ摂取したアルコールが抜けるまでにはそれ相応の時間が必要になるだろうから職種によっては仮眠時間終了後にアルコールが残らないように気を付けなければならないだろうけど一概に「仮眠時間中の飲酒が禁止」されているケースでは「労働から完全に開放されていない」って判断される材料になるんじゃないかな。「労働から完全に開放されている」っていうんならお酒を飲もうがネットでアイドルの動画を漁ろうが完全に個人の自由なはずだから、それが禁止されているってこと自体、基本的には「会社の指揮命令下」に置かれてるって判断されることの材料にはなるってことだろうね…

「待機」や「手待ち」などの時間も「労働から完全に開放されていない」なら労働時間になる

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ちなみに、この理屈は「仮眠時間」だけじゃなくって「待機」の時間とか「手待ち」の時間の場合も同じように考えることになるから「待機時間」とか「手待ち時間」とかなんかでも「突発的な事故」とか「電話やメールに対する対応が義務付け」られていたり「外出が禁止」されていたりするような場合は「労働から完全に開放されていない」って判断されるから会社にその「待機時間」とか「手待ち時間」の賃金を支払いを請求できるってことになるんだ。
「待機」の時間と「手待ち」の時間?…「待機」とか「手待ち」ってどーゆー時間のこと?
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