内定の辞退を認めてもらえない場合の対処法

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みなさんこんにちは。『まにゃったん』です。
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実は今、まにゃったんはとっても困っているのです。
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だって、内定先の会社に「内定を辞退したいです」って言ったんだけど、担当の人が「内定の辞退なんて今まで聞いたことない!そんな勝手なこと認められるかっ!!」て怒り出して内定の辞退を認めてくれないんだもん…
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でもね、最初に「内定を取り消すぞ」って脅したのは会社の方なんだよ?入社前研修に出席しろって言われてたんだけど、卒論もまだ書き上げてなかったし猫カフェのバイトも休めなかったから、先週やってた入社前研修を全部欠席しちゃったの。そしたらね「おまえ内定取り消されたいのか?こんど研修休んだらほんとに内定取り消すからなっ!」って言われて…
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それなのに、こっちが「内定辞退します」って言ったら認めないなんて…あ~あ…なんでこんな会社に応募しちゃったんだろ…もうこの会社に就職する気持ちなくなっちゃったんだけどな…
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 【内定の辞退が認められないもしくは拒否される問題】

内定先の会社に対して「内定の辞退」を行った場合、「内定によって内定先の会社との間に生じた労働契約(雇用契約)の解約の通知」と判断されてその内定先の会社との契約関係が終了するのが通常です。

しかし稀に、内定者が「内定の辞退」を告知したにもかかわらず、様々な理由を付けて「内定の辞退」を認めず、内定者が他の企業への就職活動を再開するのを妨害するケースが見られます。

このような「内定の辞退」を拒否する会社の行為は認められるのでしょうか?

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会社は内定者からの「内定の辞退」を拒否できるのか?

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あ~パン食いてーなー…やっぱ最終的に食パンが一番うめーよなー…まず角をかじってその次に耳を横からかじってって…あ~食いてーな~パン食いてー…
あっ!その声は…トルティーヤ先生!!
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…ん?誰だ?…パン持ってきてくれたの?…
トルティーヤ先生っ!聞いてくださいよ!内定先の会社に「内定の辞退」を申し入れたんですけど、「内定の辞退なんて聞いたことないぞ」って内定の辞退を認めてくれないんです!!
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…なんだネコか…内定の辞退を認めてくれない?…それは厄介だね…で、パン持ってない?パン…
パンなんかないですよっ!そんなことより…「内定の辞退」ってしちゃいけないことなんですか?でも、私もうあの会社で働きたいとは思わないんです…だって、内定出てから平日はほとんど毎日入社前研修で呼び出されるし…これじゃ卒論も書き上げられなくて卒業できなくなっちゃいますもん…
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…なるほど…パン持ってないのか…でもまぁ、入社する気がなくなったんなら内定を辞退するしかないよね。大丈夫、内定の辞退は全く問題ないよ。
でも、会社の人が内定の辞退を認めないって言ってるんです…
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それでも大丈夫。内定の辞退に会社側の承諾なんていらないから…
にゃっ?…内定の辞退って会社の承諾がなくてもできるものなんですか?
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内定の辞退に会社の承諾は必要ない

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できるよ。内定を辞退するのに会社側の承諾は一切必要ないから…
どうしてですか?
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なんでかっていうと、日本の法律では「退職の自由」が明確に認められているから(民法第627条1項前段)。正社員として採用を受けた場合は”終身雇用”として雇用されるのが通常だから労働契約(雇用契約)の形態としては「無期労働契約(※期間の定めのない雇用契約)」と判断されるんだけど、この「無期労働契約(期間の定めのない雇用契約)」の場合には「いつでも解約の申入れ」…つまり「いつでも退職の意思表示」をすることが法律で認められているんだ。

民法第627条1項前段

1項 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。(以下省略)

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「無期労働契約(期間の定めのない雇用契約)」の場合には「いつでも」退職することができるんだから、会社を退職することに会社側の承諾は必要ない。だから「内定を辞退」する場合にも会社側の承諾は必要ないことになるんだよ。
う~ん…でも、実際に入社するのは来年の4月だからまだその「無期労働契約(期間の定めのない雇用契約)」はスタートしてないんじゃないでしょうか?。
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今の時点ではまだ「内定」を受けただけで会社に「入社」したわけじゃないから「退職する」ってことにはならないんじゃないですか?だったらその民法の規定は当てはまらないような気がするんですけど…
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それは違うね。「採用内定」がどのような法的性質を持つのかという点には争いがあるんだけど、最高裁判所の判例では「内定」は「始期付きの解約権留保付きの労働契約(雇用契約)」と判断されているんだ(大日本印刷事件:最高裁昭54.7.20)。

過去の判例→大日本印刷事件:最高裁昭54.7.20

しきつきのかいやくけんりゅーほ…?
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そう、「始期付きの解約権留保付きの労働契約」。「始期付きの…労働契約(雇用契約)」というのは、「内定」によって会社と内定者との間に労働契約(雇用契約)が有効に成立することになるけれども、その労働契約に基づいて「就労を開始する”始期”」が「入社予定日」からになるというという意味。
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「解約権留保付き」というのは、その「入社予定日」が到来するまでの間に内定取消事由が発生した場合は会社側で一方的に内定を取り消す(解約する)ことができる権利が与えられているという意味になるんだ。
う~ん…なんだか難しくてよくわかんないけど…それが「内定の辞退」に会社の承諾がいらないこととどんな関係があるんですか?
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つまり、「内定」というのは内定者と内定先の企業との間で「労働契約(雇用契約)を結ぶことを約束する事」って一般に理解されているけど、法律的に考えれば「会社が内定を出して時点で内定者と会社との間に労働契約(雇用契約)が有効に成立する」っていうことになるんだ。
え?会社から「内定」をもらった時点で会社と労働契約(雇用契約)が結ばれるってこと?じゃあ、内定をもらった時点でその内定先の会社の「社員」になるってことですか?
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そうだね。会社が内定者に「内定」を出した時点でその内定者と内定先の会社の間で労働契約(雇用契約)が有効に成立することになる。ただ実際に「就労を開始する”始期”」が「入社予定日」になるという契約が、すなわち「採用内定」というものの法律的な性質になると考えられているんだ。
なるほど。「内定」を受けた場合は単に「実際に働き始める日」が「入社予定日」からっていうだけで、「内定を受けた日」からすでにその会社の社員になってるってことになるんですね。
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そうだね。「内定」が会社から出された時点でその内定先の会社との間で有効に「労働契約(雇用契約)」の効力が生じることになるから、その「内定を受けた後」に「内定の辞退」をする場合には「労働契約(雇用契約)が結ばれている状態で会社との労働契約(雇用契約)を解約する」ということになる。だから「内定の辞退」は「退職の意思表示」と同列に扱われることになるんだ。
なるほど~…「内定の辞退」っていっても内定を受けた時点でその会社の社員になっちゃってるから内定を辞退する場合も退職と同じ扱いを受けることになるわけですね。
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そう。だから正社員…つまり「期間の定めのない雇用契約」について「内定」を受けた後で「内定を辞退」する場合は、さっき説明した民法第627条1項前段の規定にしたがって「いつでも解約の申入れをすることができる」から、「内定の辞退」に会社の承諾はいらないっていうことになるんだ。
そっか―…。じゃー内定先の担当者が「内定の辞退なんか認めない」って言ってるのは法的にも契約的にもまったく根拠のない主張っていうことになるんですね?
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そうだね。そういうことになるよね。

【労働契約成立説と効力始期付労働契約説の違い】

※以下は専門的すぎるので読み飛ばしても構いません。

上記で説明した理屈は内定の「始期付解約権留保付労働契約」という法的性質の「始期付」の部分について「労働契約成立説」に立った場合の解釈になります(※前掲の【大日本印刷事件:最高裁昭54.7.20)】はこの説に立ちます)。

「始期付」の部分を「労働契約成立説」で解釈する場合は「内定」における「入社予定日」は単に「就労開始日」と解釈されるにすぎませんので「内定」が出された時点で会社と内定者の間に有効に労働契約が成立するため「内定の辞退」は「退職」について規定した民法第627条1項前段によって判断されることになり上記のような結論が導かれると考えます。

一方、この「始期付」の部分を「効力始期付労働契約説」に立って理解した場合には結論が異なります(最高裁判決の【電電公社近畿電通局事件:最高裁昭55.5.30】はこの説に立ちます)。

なぜなら「始期付」の部分を「効力始期付労働契約説」で解釈する場合は「内定」における「入社予定日」が「労働契約の効力発生日」と解釈されるため「内定」を受けた時点では会社と内定者との間に労働契約の効力は未だ発生していないことになりますから「内定の辞退」は「退職」とは扱われず民法627条1項前段の規定は判断基準とはならないことになるからです。

では、「内定」によって成立した「始期付解約権留保付労働契約」が、具体的なケースにおいてどのような基準で「労働契約成立説」と「効力始期付労働契約説」の判断が分かれるのか、という点が問題となりますが、最終的にはその事案ごとにケースバイケースで、または個々の裁判官の思想によって判断されることになるようです。

もっとも、会社の担当者が電話や口頭で内定の意思を伝える「内々定」の場合と異なり、「採用内定」が出される場合は会社側が「採用内定通知書」など正式な形で採用の意思表示をするのが通常ですからその「採用内定通知」を受け取った時点で会社側が確定的な採用の意思表示を行っているということが推認できます。

このように、採用内定通知書を受け取っている場合など、会社側が「確定体的な採用の意思」を表示していることが客観的に明らかな場合は「内定によってすでに労働契約が成立している」と考える「労働契約成立説」に立って解釈することが妥当と考えられますから、上記で説明したように「内定の辞退」には会社側の承諾は必要ないという結論で問題ないものと解されます。

会社が内定の辞退を拒否する場合はどうすれば良いか?

あのぉ…トルティーヤ先生…内定の辞退に会社の承諾がいらないことは分かったんですけど…でも、会社の担当の人が「内定の辞退は認めない」ってすごい剣幕で怒って内定の辞退を受け付けてくれないっていう状況が現実に今発生してるんですけど…それについてはどんな対処をしたらいいんですか?
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それはやっかいだね。でもまぁ、基本的に無視するしかないよね。
無視…無視して収まるもんなんですか?
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さぁ…どうだろね…
どうだろねって…ちゃんとおしえてくださいよ~!
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まぁ、きちんとした形で内定の辞退をしておきたいんなら「内定を辞退します」ってことを記載した「内定の辞退申入書」を書面で作って会社に郵送する必要があるかな…

▶ 「内定の辞退申入書」の書き方(内容証明)

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…で、将来的に裁判になってしまうリスクを考えると、その「内定の辞退申入書」を郵送する際も普通郵便で送るんじゃなくて「内容証明郵便」で送る方がいいかもしれないね。
ないよーしょーめい…?
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そう、内容証明。内容証明郵便は郵便局を利用した文書の発送手段のこと。全く同じ内容の文書をあらかじめ3通作成してその3通を郵便局に持って行って「内容証明で送ってください」ってお願いするんだ。そうするとその3通全てに郵便局の証明印が押されてそのうち1通が郵便局に保管されて、もう1通が相手方に郵送されることになるんだ。残りの1通は本人の保管用として返してもらえるよ。こうすることで仮にその文書の受取人が「そんな文書受け取ってない!」って主張したとしても郵便局に全く同一の文書が保管されてるから、郵便局が「いや、確かにその文書は郵送してますよ」ということを証明してくれることになる。
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だから、「内定の辞退申入書」を内容証明郵便で会社に郵送しておけば、あとで会社が「内定の辞退申入書なんか受け取ってない!」とか主張してきたとしても郵便局が郵送したことを証明してくれるから仮に裁判になったとしてもこちらが不利にならなくて済むんだ。
なるほど~「内定の辞退申入書」を作って内容証明で会社に提出しておけば万全っていうことですね。
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そうだね。「期間の定めのない雇用契約」の場合の退職は退職届(退職願)が会社に到達してから2週間が経過すれば会社の承諾なんかなくても退職の効果が生じることになるから(民法第627条1項後段)、こうして「内定の辞退申入書」を内容証明で郵送しておけば、それが会社に送付されてから2週間が経過した時点で「内定の辞退」も有効に成立することになる。だから法律的にはその後に会社が何を言ってきたとしても一切無視して問題ないっていうことになるんだ。

民法第627条1項

1項 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

なーんだ。じゃあ何も心配することないですね。
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ただ内容証明は「裁判になった場合の証拠を作ること」を目的としたものと理解されてて内容証明郵便で送ること自体が相手側に「ケンカするんやったら受けて立ったるで…全面戦争や!」ということを伝えることにもなるから、あくまでも会社側が内定の辞退を拒否しているような場合だけ利用した方がいいかもね。
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会社側が内定の辞退に素直に応じてるのに内容証明で内定の辞退申入書を郵送してしまうと、会社側も「なんやねんこいつ…」って感じちゃうからケースバイケースで使い分けた方がいいよね。
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まぁ~まにゃったんの場合は会社側の担当者が内定の辞退を認めずに怒鳴り散らしてるってことだから、そういう場合は内容証明郵便で送っておいた方が無難かなとは思うけど…
わかりました。とりあえず内定の辞退申入書を普通郵便で郵送しておいて、それでもしつこく連絡してくるようだったら内容証明郵便で送り直そうと思います。
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そうだね。それがいいかもね…しかしまにゃったんも厄介な会社から内定をもらったもんだね。これから就職活動を再開するのも大変だろうし…まぁ頑張ってよ……ってウキキィ?
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やべっ!もうこんな時間か…そろそろフラッシュ暗算の練習始まるからこれで失礼するよ!じゃぁネコさん、またねっ!!
フラッシュ暗算って…?トルティーヤ先生ー!!
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