減給(罰金)の懲戒処分が違法になる場合とその対処法

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あ~あ~…そりゃー私が悪いんだけどさー…
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…ん?…あっ、みなさんこんにちは『まにゃったん』です…え?何をそんなに落ち込んでるのかって?…う~ん…実はね、今日取引先の会社の応接室ですっころんじゃって、飾られてあったガンダムのプラモデルを落として壊しちゃったんです…
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でね、その取引先の会社の社長さんは「それはユニコーンの方だから大丈夫だよ」って言ってくれたんだけど、一緒にいた上司が「いやっ!これはうちの方で弁償させていだだきますっ!!」って言い出して、結局会社が弁償することになったみたいなんです…
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…でも、そのあと会社に帰ったら上司から「お前のせいで会社が弁償することになったんだぞ!来月の給料から罰金を差し引かせてもらうからな!」って言われちゃって…結局その弁償費用と同額の罰金を給料から差し引かれることになっちゃったんです…
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…まあね、そりゃー私が悪いから仕方ないかもしれないんだけど…でもね、実は取引先でコケて備品壊すのって今月に入って3回目だから、来月の給料から3回分の罰金が引かれることになってるんだよね…あ~あ~…来月どうやって生活してけばいーんだろ~…
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【仕事上のミスで給料から罰金が差し引かれる懲戒処分は違法か?】

仕事でミスを起こした労働者の給料から「罰金」を差し引く制度を設けている会社がありますが、法律的に考えた場合、このような「罰金」の制度は「懲戒処分における減給」が行われたということになります。

「減給」という「懲戒処分」は会社に懲戒権が認められる以上、違法ではありませんが、その「減給」が行われる経緯や「減給」の程度によっては違法な懲戒処分として「無効」と判断されるケースもあります。

懲戒処分が無効と判断される場合には労働者はその懲戒処分の撤回を求めることも可能です。

では、懲戒処分としての「減給」が行われた場合、具体的にどのような―スでその「減給の懲戒処分が違法・無効と判断されるのでしょうか?

また、仮に会社の減給の処分が無効と判断される場合、労働者は具体的にどのような対処方法をとってその処分の撤回を求めていくことができるのでしょうか?

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プロローグ

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あ~…早く届かねーかな~…昨日ポチったサーモン塩辛早く届かねーかな~…
あっ!その声は…トルティーヤ先生!
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…おっ?来たか?…やっぱ「あす楽便」は早えーなー…って、ねこ?…サーモン塩辛持ってきてくれたんじゃないの?…なんだよ…で、何?なんか用?…
ちょうどよかった…あのねトルティーヤ先生…実は私、今月に入って仕事中に3回も取引先で備品を壊しちゃったんですよ…でね、上司から「罰金だからな!」って言われてて来月の給料から罰金を3回分引かれることになっちゃってて…どうしたらいいと思います?…
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罰金?…あ~懲戒処分で減給になったってことかな?…で、具体的にいくら引かれることになってるの?
え~っと~…最初の取引先でコケて「蓄熱式の湯たんぽ」を壊したのが4,000円で、先週の取引先でコケて壁紙を破いちゃったやつが8,000円、3回目が今日取引先でガンダムのプラモデルを壊したやつで12,000円だから、え~と…3つ合計したら全部で24,000円来月の給料から引かれることになると思います…
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なるほど…で、その「罰金」の金額が全部違うのは実際に壊した物の価格が「罰金」として引かれることになるってこと?
…ですね、最初の「蓄熱式湯たんぽ」が1個4,000円のを1個壊しちゃったんで4,000円、壁紙はシール式の壁紙を破っちゃったんで業者の張替手数料も含めて8,000円、ガンプラは定価が12,000円のやつらしくってその値段みたいですね…(あ、ちなみに全部消費税込みの値段です…)
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ふ~ん…なるほどね…ま、いずれにしてもその「罰金」の処分は違法だろうから無効を主張して会社に撤回してもらうことは可能といえるだろうね…
え?違法?…罰金の懲戒処分って違法なんですか?
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いや…罰金っていうか減給の懲戒処分自体が違法になるわけじゃないんだけど、まにゃったんのケースの減給処分は懲戒処分で認められる減給の要件を逸脱してる可能性が高いから違法となって無効と判断できるんじゃないかなってこと。
え~?…なんでそーなるんですか?
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就業規則に定めがない、または周知されていない懲戒処分は違法(無効)

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なんでかっていうと…今回の『まにゃったん』のケースでは会社が給料から「罰金」を差し引くって言てるわけだよね?…てことは法律的に考えると、会社が「減給」の懲戒処分を行うってことになるから…そもそも会社が労働者に対して懲戒処分を与える場合は「使用者が労働者を懲戒することができる場合」でなければならないんだ(労働契約法第15条)。…で、その「使用者が労働者を懲戒することができる場合」っていうのは「就業規則に懲戒事由が明確に規定されている場合」のことって意味になるんだけど…

労働契約法第15条

使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

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…会社が『まにゃったん』に減給の懲戒処分を与えたいのであれば、その懲戒処分の「種類」…つまり「○○した場合は○○の懲戒処分を与えますよ」っていうような懲戒処分に該当する懲戒事由と処分の種類だけじゃなく、その懲戒処分の「程度」…つまり「○○の懲戒処分の場合はあなたに○○をしてもらうことになりますからね」って言うような具体的な処分の内容が、就業規則に「明記」されて(労働基準法第89条9号)、かつその就業規則が労働者に「周知」されていけなければならないんだ(労働契約法第7条)。

労働基準法第89条

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。

第1号~第8号(省略)
第9号 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
第10号(省略)

労働契約法第7条

労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。(但書省略)

え~!…そ、そうなんですか?
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そうなんですかって…この点についてはこの前『まにゃったん』が「猫タワーの3階に登ってけん責の懲戒処分を受けた」って相談しに来た時にも説明してるはずだけど覚えてないの…?
えっ?そーでしたっけ?ちょっと待ってくださいよ、確かスマホに記録しといたはずなんだけど…
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…ってそれ肉球じゃねーかよ!!
え?ネコ界隈では肉球でインターネッコに接続できるんですよ。トルティーヤ先生、猿のくせに知らなかったんですね?
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あ~このページか…ほんとだ!詳しく説明してもらってましたね!
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▶ 就業規則に定めのない懲戒処分を受けたときの対処法

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まあ、忘れたんだったらもう一回そのページを読み直してみてよ…で、今回の『まにゃったん』のケースも法律的に考えたら「減給」っていう懲戒処分を受けたことになるから、『まにゃったん』が言うように「3回分の仕事上の失敗」を理由にして「減給」を受けることになったんだったら当然、その「減給」っていう懲戒処分の「種類」の定めと「減給を受けた場合に具体的に何円が給料から控除されるか」っていう懲戒処分の「程度」が就業規則にキチンと明記されてなきゃいけないってことになる。
…ですね…そーなりますね…
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で、『まにゃったん』の会社ではそういった減給の懲戒処分についてきちんと就業規則に明記されてる?
う~ん…どーだろ…そもそも私って就業規則なんて今まで見たことあるのかな~…記憶ないんだよね~…
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…就業規則見たことないの?…あ、そう…まあ…仮に『まにゃったん』の会社の就業規則に減給の懲戒事由が明確に規定されていたとしても、今回の『まにゃったん』のケースでは実際に『まにゃったん』が壊した物の損害額を給料から差し引くって言われてるわけだよね?…ってことを考えると、実際に仕事上発生するミスによって生じる損害額をそのミスが発生する前にあらかじめ就業規則に「減給の程度」として明記することは無理だから、『まにゃったん』が受ける減給の懲戒処分に関する「種類及び程度に関する事項」がキチンと就業規則に明記されていたかって点には疑問が生じるのは避けられない。だから、その点で『まにゃったん』に対する今回の減給の懲戒処分は違法なものであった可能性が高いと思えるんだよね。
なるほど…そー言われるとそーですね…今日壊したプラモデルの損害額をあらかじめ就業規則に明記する事なんてできるはずないですもんね…
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だよね…それに、仮に懲戒処分の程度…つまり「○○した場合は〇〇円減給します」っていう「減給の懲戒処分の程度」が就業規則にキチンと明記されていたとしても、今の『まにゃったん』の感じだと『まにゃったん』は就業規則を見た記憶もなければ具体的にどういったミスを犯したら減給の懲戒処分を受けてしまうのかってことも良く理解してないみたいだよね…?
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…ってことは『まにゃったん』の会社では就業規則を従業員に「周知」させていたのかって点においても疑問が生じるから、そもそも『まにゃったん』の勤務している会社が労働契約法第15条でいうところの「使用者が労働者を懲戒することができる場合」に当てはまらないんじゃないかとも思える。…で仮に労働契約法第15条の「使用者が労働者を懲戒することができる場合」に当てはまらないのであればそもそも会社は『まにゃったん』に対して懲戒処分を下すこと自体ができないわけだから、今回『まにゃったん』に行なわれる減給の懲戒処分は違法で無効ってことになるんじゃないかって思うんだよね。
そっかー…そもそも会社が従業員に対して懲戒処分を与えるための要件を満たしていない可能性があるから、私に与えられる「罰金」っていう減給の懲戒処分も違法なものとして「無効だ!撤回しろ!」って主張することができる可能性があるってことですね…
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1回の金額が平均賃金の1日分の半額を超える減給の懲戒処分は違法(無効)

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それにね、仮に就業規則に減給の懲戒処分や懲戒事由、具体的な減給の程度が明確に規定されていて、なおかつ従業員にその就業規則の規定が周知されていたとしても、会社が減給の処分を与える場合には「1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え」てはならないって法律で義務付けられてるから…(労働基準法第91条)

労働基準法第91条

就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない

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仮に『まにゃったん』が減給される予定になってる金額が「平均賃金の1日分の半額」を超えている場合には、その減給の処分自体が違法で無効って判断されることになるんだ。
へいきんちんぎん…?
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